FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:世界経済の成長鈍化懸念から売り優勢

NYダウは63811ドル安の32272.79ドル、ナスダックは332.04ポイント安の11754.23ポイントで取引を終了した。中国上海の一部区域で都市封鎖が再開され世界経済の成長鈍化懸念がくすぶり、寄り付き後は下落した。週次の失業保険申請件数が予想以上に増え、労働市場の鈍化懸念が浮上し売りに一段と拍車がかかった。さらに、消費者物価指数(CPI)の発表を控え、高インフレへの警戒感も強まり、終日軟調に推移した。引けにかけて一段と売りが加速した。VIX指数は23.96から26.09へ上昇した。

 

NY外国為替市場:金融引き締めに伴うユーロ圏経済の成長鈍化懸念で売り

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会を開き、景気の下支えのために続けてきた量的緩和策を7月1日に終了することを決め、7月の理事会では0.25%の利上げに踏み切る方針を発表した。この結果が伝わると欧州債利回りの急上昇を受けてユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0774ドルと日通し高値を付けた。独10年債利回りは一時1.465%前後と2014年6月以来8年ぶりの高水準を記録した。ただ、そのあとは金融引き締めに伴うユーロ圏経済の成長鈍化を懸念したユーロ売りが優勢になった。目先のストップロスを誘発し、一時1.0611ドルと5月23日以来の安値を更新した。市場では『ECBの金融引き締めは市場の織り込みよりも緩やかで短期間になるだろう』『一段の積極的な引き締めは期待薄になる可能性』との声も聞かれた。なお、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で『インフレは当面は望ましくない水準に高止まりする』『インフレを巡るリスクは主として上方向』と述べ、『9月以降も緩やかだが持続的な追加利上げの道筋が適切になる』との考えを示した。

 

ドル/円は、アジア市場では一時134.56円と02年2月以来20年4カ月ぶりの高値を付けたものの、欧州市場に入ると利益確定目的の円買い・ドル売りが優勢となり、一時133.19円と日通し安値を更新した。ただ、NY市場に入ると再び強含む展開になった。米10年債利回りが上昇に転じたことで円売り・ドル買いが出たほか、対ユーロなどでドル高が進んだ影響を受け、一時134.44円付近まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反落:株安を意識した売り優勢

NY原油先物市場は120.79ドル-122.72ドルのレンジ相場となった。前日に約3カ月ぶりの高値をつけた後だけに持ち高調整目的の売りが先行した。外国為替市場でドルがユーロなどに対して上昇したこともドル建てで取引される原油価格の重しとなったアジア市場の序盤で122.72ドルまで買われたが、株安を意識した売りが増えたことによってニューヨーク市場の序盤にかけて120.79ドルまで反落した。供給不安を警戒した買いが入ったことで一時122ドル台まで戻したが、通常取引終了後の時間外取引では主に121ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反落:ドル高を意識した売り優勢に

NY金先物市場は1841.90-1857.80ドルのレンジ相場となった。外国為替市場では対ユーロでドル高が進み、ドル建てで決済される金価格の割高感が意識された。もっとも、明日に5月米消費者物価指数(CPI)を控えていることもあり、市場では様子見ムードも強かった。アジア市場で1857.80ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の前半にかけてドル高を意識した売りが入っており、1841.90ドルまで反落した。ただ、株安を意識した買いが入ったことで1853ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1850ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:欧州債売りに連れた売りが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.79%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い3.04%で終了した。欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化が加速するとの見方から、欧州債相場が下落すると米国債にも売りが波及した。ただ、5月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、売り一巡後は下げ渋った。 

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