FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅下落:高インフレや景気後退入り懸念

NYダウは1164.52ドル安の31490.07ドル、ナスダックは566.36ポイント安の11418.16ポイントで取引を終了した。パンデミック時には好調だった小売りのウォールマート(WMT)やターゲット(TGT)の決算が予想外に大幅悪化したため投資家心理が悪化し、寄り付き後は下落した。前日までに3日続伸し、900ドル超上昇していただけに、この日はこれまで買い進まれていた銘柄を中心に利益確定の売りが先行した。高インフレや景気後退入り懸念がさらなる売り圧力となり、終日軟調に推移した。引けにかけては下落幅を拡大し一時1200ドル超下落した。VIX指数は26.10から30.96へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買いが強まる

ドル/円は、前日のウォルマートに続き、小売り大手ターゲットが発表した決算が低調な内容となり、インフレが企業収益の重荷になるとの懸念が強まった。NYダウが一時1200ドル超下落したほか、ナスダック総合が5%超急落するとリスク回避の円買いが優勢となり、一時127.95円と日通し安値を更新した。一時は3%台に乗せた米10年債利回りが2.87%台まで急速に低下したことも相場の重しとなった。なお、イエレン米財務長官は独ボンでの記者会見で『米国は市場が決めるドル交換レートにコミット』『ドルが上昇していることを理解』『強いドルは他国にとって懸念材料』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ観測が高まる中、一時1.0541ドル付近まで買われる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値1.0564ドル手前で失速した。米株安を背景にリスク回避のドル買いが優勢になると一時1.0461ドルの日通し安値を更新した。高インフレによるユーロ圏景気の減速を懸念したユーロ売りも見られた。

 

NY原油先物市場は続落:欧米株の大幅安を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は108.46ドル-115.42ドルのレンジ相場となった。ロシアの産油量減少などを背景に序盤は買い戻しが先行し、一時115.40ドル台まで大きく値を上げた。しかしながら昨日同様に115ドル半ばで頭を抑えられると、一転売りが優勢になった。米エネルギー省(EIA)週間在庫統計では、原油は予想外の取り崩しとなったものの反発力は強まらなかった。大幅下落の米株を背景にリスクセンチメントが急速に悪化すると、リスク資産とされる原油も下げが加速した。ニューヨーク市場の序盤にかけて115.42ドルまで反発したが、欧米株安を嫌気した売りが強まり、ニューヨーク市場の取引終盤にかけて108.46ドルまで弱含みとなった。通常取引終了後の時間外取引では109ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:ドル高・ユーロ安を嫌気した売り

NY金先物市場は1805.00-1822.90ドルのレンジ相場となった。安寄りした米株が下げ幅を大きく広げたことを受け、安全資産とされる金は買いが先行した。ただNY昼頃からは上値を切り下げる展開になった。ドルが対ユーロで強含み、割高感が生じたドル建ての金に売りが強まった。ニューヨーク市場の中盤にかけて1822.90ドルまで戻したが、通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1820ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:米国株安からリスク回避の債券買い

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)2.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い2.88%で終了した。米株式市場でNYダウが急落し年初来安値を更新すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。20年債入札で米債券需要の強さが示されたことも相場を押し上げた。

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