FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:高PERのハイテク株が売られる展開

NYダウは26.76ドル高の32223.42ドル、ナスダックは142.21ポイント安の11662.79ポイントで取引を終了した。中国の鉱工業生産や小売りの悪化、NY連銀製造業景気指数が予想外のマイナスに落ち込んだため世界経済の成長鈍化を警戒し、寄り付き後は下落した。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが従来想定されたほど急速にならないとの見方も同時に浮上し、金利が低下するとNYダウは上昇に転じ、一時310ドル超上昇する場面もあった。高PERのハイテク株では利食いと見られる売りが続き下落した。VIX指数は28.87から27.47へ低下した。

 

NY外国為替市場:米経済指標悪化を受けてドル売り強まる

ユーロ/ドルは、15日投開票の独西部ノルトライン・ウェストファーレン州の州議会選挙では、ショルツ独首相が率いる与党・社会民主党(SPD)が大敗した。独政局不安からユーロ売りが出やすい面もあり、一時1.0390ドル付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0389ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。米10年債利回りが2.85%台まで低下したことや、資源国通貨主導で進んだドル売りの流れに歩調を合わせ、一時1.0443ドルと日通し高値を更新した。 

 

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが2.93%台まで上昇したことを受けて、一時129.61円付近まで買われる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値129.64円手前で失速した。5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲11.6と予想の17.0を大幅に下回ったことが分かると、一時128.99円付近まで下押しした。米10年債利回りが低下に転じたことも円買い・ドル売りを誘った。

 

産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物相場が一時1バレル=114.90ドルと3月24日以来の高値を更新すると、産油国通貨であるカナダドルやメキシコペソに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2837カナダドル、対円では100.69円まで上昇したほか、メキシコペソは対ドルで20.0208ペソ、対円で6.46円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は4日続伸:需給ひっ迫を警戒した買い優勢

NY原油先物市場は108.11ドル-114.90ドルのレンジ相場となった。中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)が6月中に解除の見通しとなり、エネルギー需要増への思惑が高まった。くわえて、欧州連合(EU)によるロシア産原油の段階的な禁輸措置について、関係筋から月末まで合意を目指す考えが示された。需給ひっ迫への警戒感が一気に強まり、相場は買いが買いを呼ぶ展開になり、一時114.90ドルと3月24日以来の高値を記録した。アジア市場で108.11ドルまで下げたが、需給ひっ迫を警戒した買いが新たに入ったことで、ニューヨーク市場の取引終盤にかけて114.90ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では114ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:景気の減速懸念を背景とした買い優勢

NY金先物市場は1785.00-1826.00ドルのレンジ相場となった。時間外では売りが強まり、節目1800ドルを割り込んで1月下旬以来の安値となる1785ドルまで下げ足を速めた。ただ一巡後は底堅い展開になった。5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大きく下回り、景気の減速懸念を背景とした買いにも後押しされた。アジア市場で1785.00ドルまで売られたが、ロンドン市場で反転し、ニューヨーク市場の終盤にかけて買いが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で1826.00ドルまで上昇した。 

 

米国債券市場はまちまち:悪化した米経済指標を受け買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.59%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い2.88%で終了した。5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことで、安全資産とされる米国債に買いが入った。 

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