FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ポジション調整目的の買い戻し優勢

NYダウは466.36ドル高の32196.66ドル、ナスダックは434.04ポイント高の11805.00ポイントで取引を終了した。前日まで6日続落し、約1年2カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。週末を控えたポジション調整目的の買い戻しも入り、一時540ドル超上げた。市場では『マージンコール(追い証)を迫られた個人投資家や投機筋による投げ売りは一巡した』との声が聞かれた。ハイテクも下げ止まったため、主要株式指数は安心感から終日堅調に推移した。VIX指数は31.77から28.87へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避姿勢の後退で円売り

ドル/円は、米10年債利回りが2.94%台まで上昇したことを手掛かりに円売り・ドル買いが先行した。本日のアジアや欧州、米国などの株式相場が反発したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が後退したことも円売りを促した。アジア時間の高値129.36円を上抜けて、一時129.45円まで上値を伸ばした。NY午後に入ると、週末を控えて129円台前半で値動きが鈍ったが、129円台を維持して引けた。なお、5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値は59.1と予想の64.0を下回ったものの、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行した。ロシア産エネルギーの供給不安によるユーロ圏景気の減速懸念も根強く、前日の安値1.0354ドルを下抜けると一時1.0350ドルと2017年1月以来約5年4カ月ぶりの安値を更新した。ただ、17年1月の安値1.0341ドルが重要なサポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。世界的な株高でリスク回避のドル買いが後退したことも相場の押し上げ要因となり、1.0416ドル付近まで持ち直した。原油高を背景に資源国通貨に対してドル安が進んだ影響も受けた。 

 

株高や原油高を理由に資源国通貨は買われた。豪ドル米ドルは一時0.6941米ドル、NZドル/米ドルは0.6290米ドルまで上昇したほか、米ドル/カナダドルは1.2899カナダドル、ドル/メキシコペソは20.0788ペソまで下落した。また、豪ドル/円は89.72円、NZドル/円は81.31円、カナダドル/円は100.25円、ペソ/円は6.44円と日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日続伸:需給ひっ迫を意識し高い優勢

NY原油先物市場は106.29ドル-110.64ドルのレンジ相場となった。欧州連合(EU)のロシア産原油の禁輸方針や、ロシアの報復措置としてのEUに本拠を置く企業を対象に天然ガス供給の停止など、ロシア産原油に絡んだ供給不安が買いを後押した。ロシアはブルガリアとポーランドに加え、13日はNATO加盟を申請したフィンランドへのガス供給停止の可能性を警告したと報じられている。ロンドン市場の序盤にかけて106.29ドルまで下げたが、需給ひっ迫を意識した買いが続いていること、米国株高が意識されたことから、ニューヨーク市場の取引終盤にかけて110.64ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に110ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利と米株の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1797.20-1827.60ドルのレンジ相場となった。この日は米長期金利、米株が上昇し、為替市場でドルが対ユーロで堅調な動きを維持するなか、金は続落した。4週連続下落し、中心限月としては約3カ月ぶりの安値水準となった。アジア市場の終盤に1827.60ドルまで買われたがニューヨーク市場の序盤にかけて売りが強まり、一時1797.20まで下落した。2月4日以来の安値をつけた。ただ、ユーロ安が一服したことから、売りはまもなく縮小した。1817.20ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引では主に1808ドル近辺で推移した。 

 

米国債券市場は下落:米株高によるリスク選好から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)2.58%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い2.92%で終了した。米国株相場の大幅上昇で、安全資産とされる米国債に売りが出た。週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。 

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