FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:決算を好感した買いが相場を支え

NYダウは61.75ドル高の33301.93ドル、ナスダックは1.81ポイント安の12488.93ポイントで取引を終了した。ソフトウェアメーカーのマイクロソフト(MSFT)やクレジットカード会社のビザ(V)決算を好感した買いが相場を支え、寄り付き後は上昇した。3月中古住宅販売成約指数が予想を下振れ一時下落に転じるも、中国の2都市でコロナ感染が落ち着く兆しとの報道で、世界経済の成長減速への脅威も後退し再び上昇した。値ごろ感から押し目買い意欲も強まり、NYダウはプラス圏を維持した。一方、ハイテクは金利高を警戒し小幅下落した。VIX指数は33.52から31.60へ低下した。

 

NY外国為替市場:対ユーロ中心に全般ドル買い優勢

ユーロ/ドルは、ロシアが前日にポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止したことで、エネルギー供給不安が高まりユーロ圏経済の不確実性が意識された。欧州経済の悪化で、欧州中央銀行(ECB)が金融引き締めに動きにくくなるとの見方もユーロの重石となり、一時1.0515ドルと2017年3月以来約5年1カ月ぶりの安値を付けた。市場では『重要なサポートとして意識されていた20年3月の安値1.0636ドルを明確に下抜けたことでテクニカル的にも売りが出やすかった』との声が聞かれた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.28と17年1月以来5年3カ月ぶりの高値を付けた。 

 

ドル/円は、対ユーロ中心に全般ドル高が進んだ流れに沿って円売り・ドル買いが先行した。米長期金利の上昇も相場の支援材料となり、前日の高値128.23円を上抜けて一時128.59円まで上値を伸ばした。なお、明日公表の日銀金融政策決定会合では大規模な金融緩和策の維持が見込まれている一方、来週5月3-4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では大幅利上げと量的引き締め(QT)の決定が予想されている。日米の金利差が拡大するとの見方も円売り・ドル買いを促した。

 

NY原油先物市場は続伸:供給不安残り買い優勢に

NY原油先物市場は99.80ドル-102.99ドルのレンジ相場となった。一時は99.80ドルまで下落する場面があったが、米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫統計でガソリン在庫が取り崩しとなったこともあり、その後は需給の引き締まりを意識した買い戻しが入った。アジア市場で102.99ドルまで買われた後、米長期金利の上昇やユーロ安を意識した売りが入ったことによって、ニューヨーク市場の序盤にかけて99.80ドルまで売られた。しかしながら、供給不安は解消されていないため、まもなく反転した。102ドル台半ば近辺まで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に102ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反落:ドル高・米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は1881.60-1908.10ドルのレンジ相場となった。外国為替市場では対ユーロなどでドル買いが進み、ドル建てで取引される金価格の割高感が意識された。一時は2月17日以来の安値となる1881.6ドルまで下落する場面も見られた。アジア市場の序盤に1908.10ドルまで買われたが、米長期金利の反発を受けてニューヨーク市場の中盤にかけて1881.60ドルまで下げた。ただ、換金目的の売りは一巡しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1885ドルから1888ドルの範囲内で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRBによる金融引き締めが意識され売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)2.57%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い2.83%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識される中、債券売りが優勢となった。5年債入札が『やや低調』と受け止められたことも相場の重石になった。 

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