FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:世銀の世界経済成長率引き下げを嫌気

NYダウは39.54ドル安の34411.69ドル、ナスダックは18.72ポイント安の13332.36ポイントで取引を終了した。4月の建設企業のセンチメントが悪化したほか、世銀が2022年の世界経済成長率を引き下げたため、寄り付き後は下落した。加えて、連邦準備制度理事会(FRB)が5月連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げに踏み切るとの憶測が一段と強まり金利が上昇したため下げ幅を拡大した。同時に、押し目からは値ごろ感による買いも見られ一時上昇に転じる局面もあったがプラス圏を維持できず、戻り売りに押される展開となった。VIX指数は22.70から22.17へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドルは底堅い展開

ドル/円は、欧州市場がイースターマンデーの休場で閑散取引の中、しばらくは126円台半ばでのもみ合いが続いた。ただ、インフレの高止まりで、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの見方が改めて強まると、米金利の上昇とともにドル高が進行。取引終了間際に一時127.00円と2002年5月以来およそ20年ぶりの高値を付けた。なお、東京時間には黒田東彦日銀総裁が衆院決算行政監視委員会で『急速な円安はマイナスが大きくなる』などと発言し、『円安は日本経済にプラス』と主張していた見解を事実上修正。ドル/円は一時126.25円まで下押しする場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場がイースターマンデーでほぼ休場だったため、市場参加者が減少し商いは低調だったが、米長期金利の上昇に伴うドル買いが入り、一時1.0770ドルと日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.86と20年4月以来2年ぶりの高値を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、『インフレは高すぎる』『市場を混乱させたくないものの、迅速に動く必要がある』『基本シナリオではないが、0.75%の利上げを排除しない』などと述べた。 

 

NY原油先物市場は4営業日続伸:ウクライナ情勢の悪化を嫌気

NY原油先物市場は105.43ドル-109.20ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢の悪化が原油の供給不安を強めている。中国の経済支援策が需要の回復を促すとの期待も支えとなり一時109.81ドルと、3月28日以来の110ドル台回復に迫った。ただ、中国の情勢については、ロックダウンが上海以外に西安にも広がるなど先行きの懸念も強まりつつあり、原油相場も伸び悩んだ。アジア市場の終盤にかけて105.43ドルまで下げたが、ロシアとウクライナの戦争状態は長期化の様相を呈しており、供給不安は消えていないことから、押し目買いが入った。ニューヨーク市場の後半にかけて109.20ドルまで買われた。ただ、通常取引終了後の時間外取引ではドル高を意識して買いは一服し、107ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は反発:地政学リスクの高まりから買い優勢に

NY金先物市場は1974.40-2003.00ドルのレンジ相場となった。南東部マリウポリの軍事的ダメージなどウクライナ情勢の悪化が伝えられるなか、金にはリスク回避資産として買いを集めた。2000ドル台で推移する場面もあった。アジア市場の序盤で1974.40ドルまで下げたが、まもなく反転した。ニューヨーク市場の序盤にかけて2003.00ドルまで買われた。ただ、ドル高や米長期金利の上昇を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1980ドル台前半で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRBが積極的に利上げを実施するとの見方から売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)2.46%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い2.85%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)がインフレに対応するため、積極的な利上げを実施していくとの見方から債券売りが進んだ。利回りは時間外で一時2.8795%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付けた。 

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