FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米金利上昇しハイテク株売りが重石

NYダウは113.36ドル安34451.23ドル、ナスダックは292.51ポイント安の13351.08ポイントで取引を終了した。四半期決算が好感されたゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど金融株に買いが先行し一時320ドル超上昇した。しかし、NY連銀のウィリアムズ総裁が5月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイントの利上げが理にかなった選択とするなど、利上げ加速を支持する姿勢を見せたため警戒感に売りが再燃し下落に転じた。金利が一段と上昇しハイテク株も売られ相場全体のさらなる重石となり、引けにかけ下げ幅を拡大した。VIX指数は21.82から22.70へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ECB定例理事会の結果受けドル買い強まる

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会で市場予想通り政策金利を0.00%に据え置くことを決めたと発表した。声明では、国債など資産の新規買い入れ終了時期について7-9月期との方針を維持し、一定期間後に利上げに着手することを示唆した。ラガルドECB総裁は理事会後の会見で『一定期間とは1週間とも数カ月とも意味する』と説明したほか、『量的引き締め(QT)の議論は時期尚早』などと発言した。市場の一部ではECBが金融政策の正常化を前倒しで進めるとの見方もあっただけに、この結果を受けてユーロ売りが広がった。これまでサポートとして意識されていた3月7日の安値1.0806ドルを下抜けると下げ足を速め、一時1.0758ドルと2020年4月以来2年ぶりの安値を付けた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。ECB関係者の話として『7月利上げの可能性は依然として残っている』との報道が伝わったことで1.0835ドル付近まで下げ幅を縮めた。 

 

ドル/円は、ECB理事会の結果が伝わるとユーロドルが下落した。円に対してもドル買いが先行した。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「5月の会合で0.50%の利上げを検討するのが妥当」と発言したこともあり、米長期金利が上昇幅を拡大するとドル買いが活発化し、一時126.01円と日通し高値を更新した。ただ、前日に付けた約20年ぶりの高値126.32円には届かなかった。NY午後に入ると次第に値動きが鈍った。海外の主要市場が明日からイースター休暇入りするほか、本日は聖金曜日の祝日(グッドフライデー)の前日で米債券市場が短縮取引。流動性が徐々に薄くなり、125円台後半でこう着した。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:供給不安たかまったままで買い優勢

NY原油先物市場は102.12ドル-107.64ドルのレンジ相場となった。2日連続で大きく値を上げた反動で、序盤は102ドル台まで売り戻しが先行した。もっとも、欧州連合(EU)によるロシア産原油の禁輸措置が現実味を帯びてきており、供給ひっ迫への警戒感は高まったままだ。そういった中、下値の堅さが確認できると再び買い優勢となった。グッドフライデーを翌日に控えて流動性が徐々に薄くなり、引けにかけては107.09ドルまで上げ足を速めた。ニューヨーク市場の序盤に102.12ドルまで下げたが、ロシアとウクライナの戦争状態は長期化の様相を呈しており、供給不安は消えていないことから、まもなく反転し、107.64ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に106ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は6日ぶりに反落:米長期金利jの上昇を意識した売り

NY金先物市場は1962.70-1984.00ドルのレンジ相場となった。欧州中央銀行(ECB)理事会やラガルドECB総裁の記者会見を経て、為替でドル高ユーロ安が進行すると、ドル建ての金には割高感が生じて売り優勢となった。ただし、インフレの高止まりやウクライナ情勢への警戒感が根強いなか、一巡後は下げ幅を縮小する動きになった。グッドフライデーの休場を翌日に控え、引けにかけてはポジション調整の売買が交錯した。アジア市場で1984.00ドルまで買われたが、ドル相場の反発や米長期金利の上昇を受けて、ニューヨーク市場の序盤にかけて1962.70ドルまで売られた。その後は安全逃避的な買いが入ったことで下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引では1970ドル台前半で推移した。 

 

米国債券市場は下落:米FRBの積極的な金融引き締め観測強まり売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)2.44%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.13%高い2.83%で終了した。インフレの高止まりで、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進める状況に変わりはないとの見方から、債券売りが進んだ。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が『5月の会合で0.50%の利上げを検討するのが妥当』と発言したことも債券売りを促し、利回りは一時2.8332%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付けた。なお、この日は聖金曜日の祝日(グッドフライデー)の前日で短縮取引だった。 

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