FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米金利が低下に転じると安心感から買い戻し

NYダウは344.23ドル高の34564.59ドル、ナスダックは272.02ポイント高の13643.59ポイントで終了した。3月生産者物価指数(PPI)の伸びが予想を上回り過去最大を記録したため、寄り付き後は下落した。同時に、インフレがピークに近いとの見解が強まり、金利が低下に転じると安心感から買戻しが強まり、上昇に転じた。さらに、ハイテクも買われ相場の上昇を後押しし、引けにかけ上げ幅を拡大した。ただ、引け間際には、ウォーラーFRB理事の発言などを受けて、やや上げ幅を抑えられた格好で引けた。VIX指数は24.26から21.82へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル買いも一服

ユーロ/ドルは、ウクライナ情勢を巡る懸念や資源高によるユーロ圏景気への不透明感からユーロ売りが先行した。市場では『14日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前にポジション調整目的のユーロ売りが出やすい』との声も聞かれ、一時1.0809ドルと日通し安値を更新した。ただ、3月7日に付けた年初来安値1.0806ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1.0894ドルと日通し高値を更新した。この日発表の3月米卸売物価指数(PPI)は予想を上回ったものの、前日の3月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて『インフレがピークに達する兆し』との期待も台頭した。米10年債利回りは一時2.64%台まで低下した。 

 

ドル/円は、日本時間夕刻に一時126.32円と2002年5月以来の高値を付けたものの、買い一巡後はじりじりと上値を切り下げた。約20年ぶりの126円台乗せとなり、高値警戒感が台頭。米長期金利の低下に伴うドル売りも出て、一時125.37円付近まで下押しした。

 

カナダドルは堅調だった。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を現行の0.50%から1.00%に引き上げることを決めたと発表した。市場の予想通りとなった。また、25日から量的金融引き締め(QT)を開始すると明らかにした。声明では『インフレが目標をはるかに上回る中、金利をさらに引き上げる必要があると判断』『政策金利のさらなる引き上げのタイミングとペースは継続的な経済評価と2%インフレ目標達成へのコミットメントに基づく』と指摘した。インフレが高進する中、BOCが一段の引き締めを実施していく姿勢を示したことで、カナダドル買いが優勢となった。対米ドルでは一時1.2555カナダドル、対円では100.04円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:供給ひっ迫への警戒感から買い優勢

NY原油先物市場は99.87ドル-104.47ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)が欧州連合(EU)からの増産要求を断ったことが伝わり、昨日急速に強まった『供給ひっ迫への警戒感』を背景にした買いが継続した。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫統計では原油が大幅な積み増しとなり、100ドル台で緩む場面はあったものの、一巡後は再び買い方が優勢になった。アジア市場の終盤に99.87ドルまで下げたが、ロシアとウクライナの戦争状態は長期化の様相を呈しており、通常取引終了後の時間外取引で104.47ドルまで買われた。

 

NY金先物市場は5日続伸:地政学リスクの高まりと米長期金利低下を好感

NY金先物市場は1966.30-1985.80ドルのレンジ相場となった。欧州序盤に発表された3月英消費者物価指数(CPI、前年比)は約30年ぶりの高水準を記録した。世界的なインフレ加速への警戒感が更に強まるなか、本日もヘッジ資産とされる金に資金が向かった。ロシア軍がウクライナ東部に本格的な攻撃を開始するとの見方が広まったことも、安全資産の金を買う動きを促した。アジア市場の序盤に1966.30ドルまで下げたが、ドル高が一服したことや米長期金利の上げ渋りを受けて、ニューヨーク市場の中盤にかけて1985.80ドルまで買われた。その後は株高を意識した売りが入ったことで上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1980ドル台前半で推移した。 

 

米国債券市場は上昇:インフレがピークに達する兆しとの期待から買い

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)2.34%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い2.70%で終了した。3月米卸売物価指数(PPI)は予想を上回ったものの、前日の3月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて『インフレがピークに達する兆し』との期待も台頭しており、債券買いが進んだ。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ