FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:引き締めによる景気減速懸念から売り優勢

NYダウは144.67ドル安の34496.51ドル、ナスダックは315.35ポイント安の13888.82ポイントで取引を終了した。3月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表を控えた金利高に伴うハイテク株の下落が重しとなり、寄り付き後は下落した。 議事録では、保有資産縮小計画で削減ペースが明らかになり、さらに、年内数回0.5%の利上げが実施される可能性が示唆されたため、急激な引き締めで景気減速に繋がるとの懸念も強まり、ウクライナ情勢も引き続き投資家心理の重荷となり、一時360ドル超下げた。同時に、想定通りの内容でほぼ織り込み済みと見られ、引けにかけては押し目買いに下げ幅を縮小した。VIX指数は21.03から22.10へ上昇した。

 

NY外国為替市場:NY市場では売買が交錯し方向感出ず

ドル/円は、前日のブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言を受けて、アジア市場では一時124.05円まで買われる場面があったが、NY市場では売買が交錯し大きな方向感は出なかった。米FRBがこの日公表した3月15日-16日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では5月にも開始する保有資産の圧縮について『当局者は米国債を月600億ドル、不動産ローン担保証券(MBS)を350億ドル削減することが適切と認識した』ことが明らかになったほか、『3月会合では多くの参加者が0.50%の利上げを支持したものの、ロシアのウクライナ侵攻で0.25%の利上げに修正した』ことが判明した。議事要旨公表直後には一時123.41円と日通し安値を付ける場面もあったが、すぐに持ち直すなど売買が交錯した。

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.0875ドルと3月8日以来約1カ月ぶりの安値を付けた反動で買い戻しが先行し、一時1.0938ドルと日通し高値を更新した。ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると、1.0879ドル付近まで弱含んだ。

 

NY原油先物市場は大幅に続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY原油先物市場は95.73ドル-104.02ドルのレンジ相場となった。ロシアへの制裁強化でエネルギー供給のひっ迫を懸念し、一時104.02ドルまで上昇した。しかし、徐々に上値が重くなっている過程で、IEA(国際エネルギー機関)が石油備蓄を再放出すると発表すると、日通し高値から8ドル超売られ95.73ドルまで大幅に下げ幅を広げた。ロンドン市場で104.02ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが強まり、一時95.73ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では97ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米金利高止まりとドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1916.20-1937.60ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表を控え明確な方向感のない値動きを繰り返した。ユーロなどに対してドル売りが進むと、ドルで取引されている金先物は一時割安感から強含む場面があった。しかし、米金利が高止まりしていることや、ドル売りの勢いも限られたことで、引けにかけては売りが優勢となり小幅に続落して引けた。アジア市場の終盤にかけて1916.20ドルまで下げたが、ロンドン市場で1937.60ドルまで戻した。その後は米長期金利の上昇を意識して上げ渋り、ニューヨーク市場の後半で1917.00ドルまで反落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引では一時1930.30ドルまで戻しており、やや底堅い値動きを見せた。

 

米国債券市場はまちまち:米金融引き締めが加速するとの観測から売り

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)2.48%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)2.60%で終了した。前日のブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言を受けて、米金融引き締めが加速するとの観測から債券売りが優勢となった。利回りは一時2.6557%前後と2019年3月以来約3年1カ月ぶりの高水準を付けた。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ