FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ハイテクセクターの買いがけん引

NYダウは103.61ドル高の34921.88ドル、ナスダックは271.05ポイント高の14532.55ポイントで取引を終了した。ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受け、欧米が対ロ制裁をさらに強化する姿勢を表明したため経済への影響を警戒し、寄り付き後は下落した。JPモルガン銀のダイモン最高経営責任者(CEO)が、投資家に向けてウクライナ戦争による業績への影響や今後数年、世界経済や地政学に主要な影響を与えると警告したことも嫌気され売り圧力となった。一方、ナスダック総合指数は堅調となった。中国の規制当局が上場している同国ハイテク企業の監査に関し情報を開示することに前向きな姿勢を見せたため、非上場が回避されるとの期待感から買い戻しがさらに加速した。その流れに連れて国内ハイテクセクターも一段高となり、相場全体を押し上げてNYダウも上昇に転じた。VIX指数は19.63から18.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロシアへの経済制裁の強化の思惑からユーロ売り

ユーロ/ドルは、ロシア軍がウクライナ市民を虐殺した疑いが浮上し、欧米でロシアに対する経済制裁の強化を求める声が強まると、ロシアと結びつきの強いユーロ圏経済への悪影響を懸念したユーロ売りが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.0961ドルと日通し安値を更新した。なお、ユーロ/豪ドルは一時1.4530豪ドル、ユーロ/NZドルは1.5757NZドル、ユーロ/ポンドは0.8362ポンド、ユーロ/カナダドルは1.3693カナダドル、ユーロ/スイスフランは1.0156スイスフランまで値を下げた。 

 

ドル/円は、一時は2.36%台まで低下した米10年債利回りが上昇に転じると円売り・ドル買いが先行し、122.96円と日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値123.03円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。 

 

NY原油先物市場は大幅に反発:流動的なウクライナ情勢を警戒した買い

NY原油先物市場は98.05ドル-103.94ドルのレンジ相場となった。先週に米政権が米戦略石油備畜(SPR)から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると公表したことで続落した原油先物は、アジア時間や欧州午前には軟調地合いが継続し98ドル台まで弱含んだ。しかし、連日の軟調な動きも徐々に収まり、買い戻しが入り103ドル後半まで反発するなど荒い値動きになった。また、欧米諸国がロシアに対して新たな制裁の導入を考えているとの相次ぐ発言もあり、エネルギー価格が全体的に強含み、米国の石炭価格も2008年以来の水準まで上昇した。アジア市の序盤から買いが入ったことで98.05ドルから100ドル台後半まで反発した。その後、99ドル台前半まで下げたものの、戦略石油備蓄の放出を意識した売りは一巡し、流動的なウクライナ情勢を警戒し高いが入ったことで上げ幅は拡大した。供給不安は払しょくされていないことから、通常取引終了後の時間外取引で103.94ドルまで上昇した。

 

NY金先物市場は反発:地政学リスクの高まりから安全資産としての買い

NY金先物市場は1918.20-1941.60ドルのレンジ相場となった。欧州入り後は弱含む場面もあったが、欧米諸国がロシアに対しての新たな制裁を導入する意向を示していることもあり、安全資産とされる金先物は小高く推移した。アジア市場で1918.20ドルまで売られたが、ウクライナとロシアの停戦協議は難航するとの見方が強まり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1941.60ドルまで買われた。ただ、米長期金利が底堅い動きを見せたことや米国株高を意識して上げ幅は縮小し、通常取引終了後の時間外取引では1930ドル台で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:インフレへの懸念から長期ゾーンに売り

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)2.42%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.39%で終了した。ウクライナ情勢を巡る懸念を背景に買いが先行したものの、米国株が底堅く推移すると徐々に弱含んだ。原油高でインフレへの懸念が強まったことも債券売りを誘った。 

 

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