FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:新規投資の流入が下支えとなり買い優勢に

NYダウは139.92ドル高の34818.27ドル、ナスダックは40.98ポイント高の14261.50ポイントで取引を終了した。3月雇用統計が労働市場の強さを新たに証明したため、寄り付き後は上昇した。同時に、労働市場のひっ迫や賃金の予想を上回る伸びにより、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったことが警戒されたほか、長短金利の逆転で景気後退懸念も浮上し、一時下落に転じた。しかし、第2四半期入りで新規投資が下支えとなり、再び上昇した。引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は20.56から19.63へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇幅を縮めると一転してドル売り優勢

ドル/円は、米労働省が発表した3月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比43.1万人増と予想の49.0万人増を下回った一方、失業率が3.6%と前月から低下し予想よりも強い結果となった。米労働市場は引き続き回復しているとの見方からドル買いが優勢となり、一時123.03円と日通し高値を付けた。米10年債利回りが2.45%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。市場では『平均時給も前年比で予想を上回っており、賃金圧力が存在していることが示された。5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利上げはほぼ確実になった』との声が聞かれたほか、『インフレがさらに加速すれば、6月FOMCでも0.50%の利上げが実施される可能性がある』との指摘があった。ただ、その後発表された3月米ISM製造業景気指数が57.1と予想の59.0を下回ったことが分かると、徐々に上値が重くなった。米10年債利回りが2.35%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、122.46円付近まで下押しする場面があった。

 

ユーロ/ドルは、米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正され、失業率が約2年ぶりの水準まで改善した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを後押しする内容だったと受け止められ、全般ドル買いが優勢となり、一時1.1028ドルと日通し安値を更新した。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミストが『ユーロ圏のインフレ率は非常に高い』との認識を示したうえで、エネルギー価格の高騰による実質所得の悪化への懸念を表明し、『インフレ見通しが弱まれば、金融政策の姿勢を再考しなければならない』と述べたこともユーロの重しとなった。ただ、引けにかけては下げ渋る展開に。米長期金利が上昇幅を縮小したことを受けて、じりじりと下値を切り上げた。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。

 

NY原油先物市場は続落:米戦略石油備蓄放出や中国景気減速懸念から売り

NY原油先物市場は97.78ドル-101.75ドルのレンジ相場となった。引き続き昨日に米政権が米戦略石油備畜(SPR)から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると公表したことが重石となった。また、中国3月Caixin製造業PMIが約2年ぶりの低水準となり、中国景気減速によるエネルギー需要が減少するとの思惑も原油の上値を圧迫した。アジア市場で101.75ドルから97.78ドルまで下げたが、戦略石油備蓄の放出を意識した売りは一巡し、ニューヨーク市場で101.00ドルまで戻した。ウクライナ情勢は流動的であり、供給不安は払しょくされていない。通常取引終了後の時間外取引では99ドル台で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増kあの533基となった。

 

NY金先物市場は反落:利上げ観測強まり売り優勢に

NY金先物市場は1921.40-1944.50ドルのレンジ相場となった。米3月雇用統計は強弱まちまちも、労働市場の堅調が改めて示され、市場は5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での50bpの利上げをほぼ織り込み、金利がつかない金の魅力が低下し売りに押された。アジア市場で1944.50ドルまで買われたが、3月米雇用統計発表後に売りが強まり、一時、1921.40ドルまで下落した。ただ、安全逃避的な買いは一部で観測されており、1929.80ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1925ドルから1929ドルの水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:良好な米3月雇用統計受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)2.46%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い2.38%で終了した。3月米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正され、失業率は約2年ぶりの水準まで改善した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを後押しする内容だったと受け止められ、債券売りが広がった。なお、2年債利回りは一時2.4665%前後まで上昇し、10年債利回りを上回る『逆イールド』が一段と進んだ。

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