FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米景気減速懸念から売り優勢

NYダウは448.96ドル安の34358.50ドル、ナスダックは186.21ポイント安の13922.61ポイントで取引を終了した。高インフレや米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急ぐとの観測を懸念した売りが再燃し、寄り付き後は下落した。2月の新築住宅販売件数が予想以上に減少したほか、WTI原油先物価格高で景気への懸念も再燃し、終日軟調に推移し、引けにかけ下げ幅を拡大した。VIX指数は22.94から23.57へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRBの金融引締め観測がドルを下支え

ドル/円は、米長期金利の低下などを理由に円買い・ドル売りが先行した。原油先物価格が大幅に上昇したことで対資源国通貨中心にドル安が進むと、一時120.54円と日通し安値を更新した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融引き締めを進めるとの観測が高まる中、押し目買い意欲は旺盛で下値は堅かった。黒田東彦日銀総裁が前週末に足もとの円安を容認し、大規模緩和策を堅持する方針を表明して以降、円売りが出やすい地合いになっていたこともあり、121.15円付近まで持ち直している。 

 

ユーロ/ドルは、プーチン露大統領が米国や欧州など『非友好国』に対し天然ガスの支払いをルーブルにするよう求める考えを表明した。原油や天然ガスなどエネルギー価格が上昇し、ユーロ圏景気への悪影響を懸念したユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0964ドルと日通し安値を更新した。ただ、前日の安値1.0961ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。商品価格の上昇を背景に対資源国通貨中心にドル安が進むと、ユーロに対してもドル売りが出て1.1012ドル付近まで下げ幅を縮めた。

 

ロシアの通貨ルーブルは反発。プーチン露大統領が『非友好国』にルーブル建てで天然ガスを売却し始める方針を表明するとルーブル買いで反応した。対ドルでは一時94.98ルーブル前後、対ユーロでは103.22ルーブル前後まで反発した。

 

NY原油先物市場は大幅上昇:原油の需給ひっ迫懸念から買い優勢

NY原油先物市場は108.38ドル-115.40ドルのレンジ相場となった。パイプラインの運営会社CPCが悪天候を理由にロシア・黒海ターミナルからの原油輸出を全面的に停止すると明らかにすると、需給ひっ迫懸念から買いが優勢になった。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で原油が大幅な切り崩しとなったことも支援材料となった。アジア市場で108.38ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて115.40ドルまで上昇した。その後、113ドル台まで下げる場面があったが、通常取引終了後の時間外取引で一時115ドル台に戻す場面があった。

 

NY金先物市場は反発:地政学リスクの高まりから買い優勢

NY金先物市場は1915.60-1948.80ドルのレンジ相場となった。ウクライナ首都キエフでのロシア軍との戦闘が続くなかで情勢悪化が懸念され、安全資産として金需要が高まった。取引終了後には一段高となり1950ドルに接近した。アジア市場で1915.60ドルまで売られたが、原油高や欧米株安を意識して反発した。米長期金利が低下したことも買い材料となった。ニューヨーク市場でじり高となり、通常取引終了後の時間外取引で1948.80ドルまで上昇した。 

 

米国債券市場は反発:米国株安で押し目買い

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)2.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い2.29%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入った。米国株の下落も債券買いを誘った。

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