★米国株式市場は下落:パウエル米FRB議長のタカ派発言で売りに拍車
NYダウは201.94ドル安の34552.99ドル、ナスダックは55.38ポイント安の13838.46ポイントで取引を終了した。ロシア、ウクライナ停戦交渉への期待や値ごろ感からの買いに、寄り付き後は上昇した。しかし、中国での旅客機墜落事故を受けたボーイングの下げがNYダウを押し下げ、下落に転じた。1銘柄でNYダウを44ドルほど押し下げた。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)で講演し、インフレ高進を抑制するため、必要とあれば大幅な利上げも辞さないとするタカ派姿勢を再表明したため金利上昇を警戒し、売りに一段と拍車がかかり、一時410ドル超下げた。VIX指数は23.87から23.53へ低下した。
★NY外国為替市場:パウエル米FRB議長のタカ派発言ど全般ドル買い優勢
ドル/円は、しばらくは119円台前半でのもみ合いが続いていたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で『今後の会合で通常の利上げペースよりも積極的に政策金利を引き上げることが適切と判断すればそうする。中立金利を上回る利上げが必要と判断した場合にはそうするだろう』などと述べ、積極的な金融引き締めに前向きな姿勢を示すと、米金利の上昇とともにドル買いが活発化した。前週末の高値119.40円を上抜けて一時119.50円と2016年2月以来6年1カ月ぶりの高値を付けた。
ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長が必要に応じて0.50%の利上げを実施する用意があるとの姿勢を表明し、5月までにバランスシート縮小に着手する可能性があるとの見方を改めて示すと、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ロシアとウクライナの停戦交渉の行方に不透明感が広がっていることも相場の重しとなり、一時1.1010ドルと日通し安値を更新した。なお、ナーゲル独連銀総裁は『インフレ見通しによって正当化されるなら、欧州中央銀行(ECB)は金融政策の正常化を継続し、早ければ年内にも利上げを実施すべき』と述べたものの、相場の反応は限られた。
★NY原油先物市場は3日続伸:ウクライナ情勢の悪化から買い優勢に
NY原油先物市場は102.47ドル-111.08ドルのレンジ相場となった。収まらないウクライナ情勢の悪化を受けて欧州各国がロシア産原油の禁輸措置にいよいよ動くとの思惑から需給圧迫を懸念した買いが優勢となった。アジア市場の序盤に102.47ドルまで下げた後はじり高となり、ニューヨーク市場の序盤に109.56ドルまで上昇した。一時108ドルを下回ったが、ウクライナ情勢は流動的であり、通常取引終了後の時間外取引で111.08ドルまで一段高となった。
★NY金先物市場は小反発:地政学リスクの高まりから買い優勢に
NY金先物市場は1917.20-1941.80ドルのレンジ相場となった。NY序盤には1917ドル付近まで調整売りに押されたが、ロシア軍が包囲するマウリポリの制圧を狙って攻撃を激化するなどウクライナ情勢のさらなる緊迫化を受けて安全資産とされる金の買い意欲は強かった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1917.20ドルまで下げたが、ウクライナ情勢の改善は期待できないことから、1941.80ドルまで反発した。株安を意識して安全逃避的な買いも観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に1930ドル台で推移した。
★米国債券市場は下落:パウエル米FRB議長のタカ派発言受け売り優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.18%高い(価格は下落)2.12%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.14%高い2.29%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派発言が伝わると、積極的な金融引き締めに前向きとの受け止めから債券売りが広がった。利回りは一時2.3186%前後と2019年5月以来の高水準を付けた。
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