FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:ハイテク株の買い戻しが上昇拡大をけん引

NYダウは417.66ドル高の34480.76ドル、ナスダックは178.23ポイント高の13614.78ポイントで取引を終了した。ロシアがウクライナとの停戦交渉が進展したとの報道は誤りであると表明したため、失望感から寄り付き後は下落し、一時160ドル超下げた。しかし、良好な雇用や住宅関連指標を好感した買いに上昇に転じた。さらに、ロシアのドル建て債利払いが完了し債権者に分配されたことが関係筋の話で明らかになり、ロシア債務不履行懸念の後退も投資家の安心感に繋がり、相場の上昇を後押した。金利の上昇が一段落したためハイテク株でも買い戻しが継続したことも引けにかけた上昇拡大をけん引した。VIX指数は26.67から25.67へ低下した。

 

外国為替市場:ロンドンのフィキシングに絡んだドル売り

ユーロ/ドルは、クノット・オランダ中銀総裁が『利上げは今後のインフレデータ次第』としながらも、『今年2回の利上げを排除しない』との考えを示したことを手掛かりに全般ユーロ買いが先行した。市場では『ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測された』との声も聞かれ、一時1.1137ドルと日通し高値を更新した。ただ、米10年債利回りが上昇に転じると徐々にユーロ売り・ドル買いが優勢になり、1.1089ドル付近まで伸び悩んだ。米当局者の話として『プーチン露大統領は戦争が長期化すれば核の威嚇を行う可能性が高い』との報道が伝わったことも相場の重石になった。

 

ドル/円は、ユーロ/ドルの上昇に伴う円買い・ドル売りが入ったほか、米長期金利の低下が相場の重石となり、一時118.37円と本日安値を更新した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローも観測された。ただ、米長期金利が上昇に転じたタイミングでドルを買い戻す動きが広がると、一時118.67円付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに大幅反発:供給不足への懸念が再燃

NY原油先物市場は93.41ドル-102.69ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)は欧米諸国による対露制裁によって、ロシアの産油量が今後減少する可能性を指摘した。エネルギー供給不足への懸念が再燃するなか、引け後には104ドル台まで上昇するなど堅調に推移した。アジア市場の取引開始後に93.41ドルまで下げたが、その後反転し、ニューヨーク市場で100ドル台を回復した。ウクライナ情勢は流動的であり、通常取引終了後の時間外取引で102.69ドルまで買われている。 

 

NY金先物市場は5営業日ぶりに反発:地政学リスクの再燃で買い戻し

NY金先物市場は1924.00-1951.00ドルのレンジ相場となった。足もとではウクライナとロシアの停戦交渉に対する期待がやや後退しており、安全資産とされる金の重要が高まった。前日まで4日続落した後だけに、持ち高調整目的の買いも相場を押し上げた面がある。アジア市場の取引開始後に1924.00ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて1951.00ドルまで買われた。安全逃避的な買いが入った。ただ、米長期金利が下げ渋ったことや米国株高を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で上げ幅は縮小した。一時1935.60ドルまで値を下げる場面があった。

 

米国債券市場は反発:持ち高調整目的の買い

米国債券市場で中長期ゾーンは小反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.92%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い2.17%で終了した。前日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したことで、持ち高調整目的の買いが入った。ウクライナ情勢を巡る不透明感が根強いことも債券買いを誘った。 

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