FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:パウエル米FRB議長の会見受け買い優勢に

NYダウは518.76ドル高の34063.10ドル、ナスダックは487.93ポイント高の13436.55ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナの停戦交渉に進展があったとの報道を好感し、寄り付き後は上昇した。連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り0.25%の利上げを決定し、ブラード・セントルイス連銀総裁が0.5%の利上げを主張したほか、スタッフ予測で、本年平均7回の利上げ予想が明らかになると、積極的な引き締めによる景気後退懸念や政策の間違いを警戒した売りが加速し、NYダウは一時下落に転じた。その後の会見で、パウエル議長が政策の柔軟性や経済の強さを強調し、景気後退のリスクが特に高まっていないと言及すると、買いが再燃しダウはプラス圏を回復した。引けにかけて上昇幅を拡大した。VIX指数は29.83から26.67へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国利上げ決定で一時ドル買い強まる

ドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控えて、日米金利差拡大への思惑から円売り・ドル買いが先行した。ロシアとウクライナの停戦交渉が進展するとの期待を背景に、欧米株価が堅調に推移したことも相場の支援材料となった。
 米連邦準備理事会(FRB)は15-16日に開いたFOMCで、市場予想通りFF金利の誘導目標を0.25-0.50%に引き上げることを決定。声明では『経済活動と雇用の指標は引き続き強化されている』としながらも、『ロシアによるウクライナ侵攻は、人的および経済的に多大な困難を引き起こしている』『米国経済への影響は非常に不確実だが、短期的には経済活動を圧迫する可能性がある』と指摘した。また、ブラード米セントルイス連銀総裁が0.50%の利上げを主張したことが明らかになった。
 FOMC結果公表直後は米10年債利回りが2.24%台まで上昇したことを受けて、全般ドル買いが活発化し、一時119.12円と2016年2月以来の高値を付けた。ただ、そのあとは約6年1カ月ぶりの119円台乗せとあって達成感から利食い売りなどが優勢になった。米長期金利が上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、118.58円付近まで下押しした。
 注目されていたFOMC当局者による経済・金利見通しでは年内利上げ回数は今回を含め7回と12月会合の3回から大幅に増加し、23年は3.5回となった。23年までの利上げは計10.5回となり、最終的な政策金利は2.50-2.75%との予想が示された。
 また、パウエルFRB議長は会見で『インフレを抑制するために利上げを続けることが適切』『利上げとバランスシート縮小の時が来たことを認識』と述べたほか、『行動加速が適切となれば、そうするだろう』『リセッション確率は特に高まっていない』と語った。バランスシート縮小についての議論は『早ければ5月になる可能性がある』との認識を示した。 

 

ユーロ/ドルは中国が景気浮揚策を打ち出す方針を示したことや、露・ウクライナの停戦交渉が進展するとの期待から欧米株高とともにユーロ買い・ドル売りが進行し、一時1.1040ドルまで値を上げた。FOMC結果公表直後に米金利上昇とともにドル買いが強まると、1.0951ドル付近まで下押しする場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値1.0949ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。FOMCを通過した安心感から米国株が一転上昇すると、リスク選好のドル売りが広がり一時1.1047ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日続落:供給不足への懸念が和らぎ売り優勢に

NY原油先物市場は94.07ドル-99.22ドルのレンジ相場となった。ウクライナとロシアの停戦交渉を巡る進展期待が高まり、供給不足への懸念が和らいだ。また、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫が予想に反して大幅な積み増しとなったことも相場の重しとなった。アジア市場の終盤にかけて99.22ドルまで買われたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明後に94.07ドルまで売られた。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、通常取引終了後の時間外取引で主に95ドル台後半まで戻している。 

 

NY金先物市場は4日続落:リスク選好の動きから売り優勢

NY金先物市場は1895.20-1930.10ドルのレンジ相場となった。ウクライナとロシアの停戦交渉に対する進展期待が高まるなか、世界的に株高が進み、安全資産とされる金の需要が低下した。 米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明後に1895.20ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で安全逃避的な買いが入ったことで一時1930.10ドルまで戻しており、下げ幅は縮小した。

 

米国債券市場は下落:金利先高観が強まり売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)1.95%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い2.18%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利予想(ドット・チャート)では、年内の利上げ回数が今回を含めて7回と12月の3回から増加した。市場では『金融引き締めに積極的』との受け止めが広がり、債券売りを誘った。利回りは一時2.2422%前後と2019年5月以来の高水準を付ける場面があった。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が進むにつれて、債券を買い戻す動きが広がると下げ幅を縮めた。

 

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