FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:経済の正常化を期待した買いがけん引

NYダウは599.10ドル高の33544.10ドル、ナスダックは367.40ポイント高の12948.62ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控え発表された2月生産者物価指数(PPI)が予想を下回る伸びにとどまり、インフレがピークを付けた可能性が示唆されたため急激な利上げへの警戒感が後退し、寄り付き後は上昇した。ロシアのプーチン大統領が攻撃を継続する強硬姿勢を示したため、一時小緩む場面もあったが、原油価格が高値から反落したため回復への安心感が広がり、終日堅調に推移した。経済の正常化を期待した買いもけん引し、引けにかけて上げ幅を拡大し一時670ドル超上げた。VIX指数は31.77から29.83へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で総じてドル買い優勢

ドル/円は、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に大きな方向感は出なかったものの、NY市場に入ると米10年債利回りが上昇に転じたため円売り・ドル買いがじわりと強まった。NYダウが一時670ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料となり、一時118.40円付近まで買われ、アジア時間に付けた約5年2カ月ぶりの高値118.45円に迫った。なお、明日のFOMCでは0.25%の利上げがほぼ確実視されており、インフレ高止まりを背景に利上げペースの加速観測も浮上した。市場では『委員らの金利見通し(ドット・チャート)でタカ派寄りの予想が示される』との声が聞かれた。この日発表の2月米卸売物価指数(PPI)は予想より弱い内容となったほか、3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は2020年6月以来のマイナスに転じたものの、目立った反応は見られなかった。 

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.1020ドルと日通し高値を付けたものの、3月独ZEW景況感指数が予想を大幅に下回り、20年3月以来のマイナスとなったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが優勢になった。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを促し、一時1.0926ドルと日通し安値を更新した。プーチン露大統領はミシェルEU大統領との電話会談で、『ウクライナは互いに受け入れ可能な解決策模索に真剣ではない』などと発言した。露・ウクライナ停戦合意への期待がやや後退したこともユーロの重しとなった。なお、露・ウクライナ停戦交渉は明日16日も継続される。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:エネルギー需要が低下するとの思惑

NY原油先物市場は93.53ドル-102.58ドルのレンジ相場となった。中国で新型コロナウイルスの感染拡大が進み、エネルギー需要が低下するとの思惑から売りが出た。目先のストップロス売り注文を巻き込んだことで下げ足を速め、一時は93.53ドルまで下押す場面も見られた。アジア市場の序盤に102.58ドルまで買われたが、ポジション調整的な売りが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて93.53ドルまで下げ幅は拡大した。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、一時98ドル台前半まで戻す場面があった。通常取引終了後の時間外取引では主に95ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1908.10-1956.90ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇基調が続くなか、金利のつかない金先物相場は連日で売りに押された。アジア市場の序盤で1956.90ドルまで買われたが、米国金利の先高観は後退していないことから、ニューヨーク市場の序盤にかけて1908.10ドルまで売られた。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、安全逃避の買いも一部で観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に1920ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米国株の大幅上昇が重しに売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比と同じ1.86%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)して終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.14%で終了した。欧州債相場の上昇を受けて米国債にも買いが先行したものの、そのあとは徐々に売りが優勢になった。米国株相場の上昇などが相場の重しとなった。市場では『明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は若干タカ派化する』との予想が聞かれた。 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ