FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:中国の一部地域が感染拡大で経済封鎖を嫌気

NYダウは1.05ドル高の32945.24ドル、ナスダックは262.59ポイント安の12581.22ポイントで取引は終了した。ロシアとウクライナの第4回目の停戦交渉を控え、期待感に寄り付き後は上昇した。しかし、交渉が15日まで中断されたほか、連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを警戒して下落に転じた。中国の一部地域が新型コロナ流行拡大で経済封鎖されたため世界経済の鈍化懸念も再燃し、さらなる売り圧力となった。引けにかけ、金融などの上昇が支えとなり、NYダウはプラス圏を回復した。金利の上昇を嫌気したハイテク株の売りは続き、ナスダックは終日軟調となった。VXI指数は30.75から31.77へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、今週の日米金融イベントを前に、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが優勢になり、一時118.22円と2017年1月以来約5年2カ月ぶりの高値を更新した。米10年債利回りが19年7月以来の高水準となる2.14%台まで上昇したこともドルの支援材料となった。なお、15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げがほぼ確実視されており、インフレ高止まりを背景に利上げペースの加速観測も浮上。市場では『委員らの金利見通し(ドット・チャート)でタカ派寄りの予想が示される』との声も聞かれた。一方、17-18日の日銀金融政策決定会合では、足もとで物価の上昇圧力が高まる中でも、緩和的な金融政策スタンスの維持が見込まれている。 

 

ユーロ/ドルは、ロシアとウクライナの停戦交渉が進展するとの期待からユーロ買いが入り、一時1.0994ドルと日通し高値を付けた。この日オンライン形式で実施された停戦協議は一時中断し、明日15日に再開される。ただ、節目の1.1000ドル手前で上値の重さを確認すると、米長期金利が上昇幅を拡大した影響も受けて1.0939ドル付近まで伸び悩んだ。なお、米短期金融市場では米連邦準備理事会(FRB)による今年7回の利上げを織り込む場面があった。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:原油供給状況が改善へ向かうとの思惑

NY原油先物市場は99.76ドル-109.72ドルのレンジ相場となった。ロシアとウクライナの停戦交渉に対する進展期待が高まるなか、原油供給状況が改善へ向かうとの思惑から売りが出た。また、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいることも相場の重石になった。約2週間ぶりに節目の100ドルを割り込む場面も見られた。アジア市場の序盤に109.72ドルまで買われたが、利食い売りが強まり、ニューヨーク市場の序盤で一時99.76ドルまで下落。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、103ドル台前半まで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に102ドルを挟んだ水準で推移している。

 

NY金先物市場は続落:停戦協議の進展期待から金需要低下

NY金先物市場は1952.00-1994.80ドルのレンジ相場となった。ウクライナとロシアの第4回停戦交渉は一時中断され、15日に再開することになった。市場では協議の進展期待が高まっており、安全資産とされる金の需要が低下した。また、米長期金利が大幅に上昇したことも金利のつかない金先物相場の重石となった面がある。アジア市場の序盤で21994.80ドルまで買われたが、米国金利の先高観が強まり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1952.00ドルまで売られた。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、安全逃避の買いも一部で観測された。通常取引終了後の時間外取引では1950ドル台で推移した。

 

米国債券市場は下落:米利上げペースの加速観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%高い(価格は下落)1.86%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.14%高い2.13%で取引を終了した。15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げがほぼ確実視されており、インフレ高止まりを背景に利上げペースの加速観測も浮上した。市場では『委員らの金利見通し(ドット・チャート)でタカ派寄りの予想が示される』との声も聞かれ、債券売りが優勢となった。利回りは一時2.1437%前後と2019年7月以来の高水準を付ける場面があった。 

 

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