FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:ウクライナ情勢の緊迫が長引くとの懸念から売り

NYダウは112.18ドル安の33174.07ドル、ナスダックは125.59ポイント安の13129.96ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナの外相会談で目立った進展がなく、ウクライナ情勢の緊迫が長引くとの懸念が高まると売りが先行した。さらに、2月消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びとなったことも嫌気された。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを警戒した売りも再燃し、終日軟調に推移した。ハイテクも金利の上昇を嫌気され下落した。VIX指数は32.45から30.23へ低下した。

 

NY外国為替市場:米インフレ高進で米長期金利上昇からドル買い優勢

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、国債などを購入する量的緩和策について縮小ペースの加速を決定した。声明では利下げを示唆する文言を削除した。市場では金融政策の正常化に前向きと受けとめられ、一時1.1121ドルの本日高値までユーロ高が進んだ。ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で『インフレは短期的に非常に加速する可能性がある』とした一方、『成長見通しへのリスクが著しく増大した』と指摘すると、物価上昇と景気悪化が同時進行するスタグフレーションへの懸念が強まり、一転ユーロ売りが優勢となった。また、露・ウクライナ外相会談では停戦合意への目立った進展がなかったと伝わり、先行き不透明感が高まり、一時1.0976ドルと本日安値を更新した。なお、ECBは『インフレ中期見通しが現状のままならAPPは7-9月に終了する』としたものの、市場関係者からは『APP終了は確定したわけではなくデータ次第としている。経済状況が一変すれば終了しない可能性もある』『ロシアによるウクライナ侵攻の悪影響が徐々に広がる中、ECBは焦点をインフレ高進から経済と市場の混乱抑制にシフトせざるを得ない。年内利上げは難しいと予想する』との声が聞かれた。 

 

ドル/円は、米労働省が発表した2月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となったものの、約40年ぶりの高さを記録した。米10年債利回りが2.01%台まで上昇したことにつれて、ドル・円も116.20円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値116.20円を上抜けることは出来なかった。ウクライナ情勢への懸念やインフレ懸念を背景に米国株が下落すると、一時115.93円付近まで下押しする場面があった。 

 

NY原油先物市場は続落:増産の思惑が消えず利食い売り優勢

NY原油先物市場は105.60銅r-114.88ドルのレンジ相場となった。昨日に売り材料となった露・ウクライナ停戦への期待を高めるような特段の状況進展はなく、一段の下落を促す要因になりにくかった。一方で国際関係の明確な改善が示されない間は景気回復の鈍さが続き、エネルギー需要が低迷するとの見方もあって、反発力は不十分だった。ウクライナ情勢は流動的であり、ニューヨーク市場の序盤にかけて114.88ドルまで買われたが、増産の思惑は消えていないため、利食い売りが優勢となった。ニューヨーク市場の後半にかけて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で105.60ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は反発:ウクライナ情勢への進展なく買い戻し

NY金先物市場は1975.00-2015.10ドルのレンジ相場となった。昨日リスク回避姿勢を弱めた露・ウクライナの停戦へ向けた動きに特段の進展がなく、巻き戻しの買いが入った。米消費者物価指数(CPI)は想定範囲内の結果だったが高止まり状態となった。米長期金利はいったん低下したが結局2%台へ上昇した。金利上昇に圧迫され、米国株は下落した。一方で欧州中央銀行(ECB)が、物価高が成長を抑制するとの見方を示した。リスク回避再燃で安全資産とされる金が買われ、2000ドル台を回復して取引を終えた。アジア市場で1975.00ドルまで売られたが、ウクライナとロシアの停戦協議で進展はなかったことから、押し目買いが入った。ニューヨーク市場の序盤にかけて2015.10ドルまで戻した。ただ、その後は伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では2000ドルをやや上回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は続落:インフレ加速への警戒感から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.70%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.99%で終了した。2月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となったものの、約40年ぶりの高さを記録した。インフレ加速への警戒感から債券売りが広がった。 

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