FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:短期的な戻りを見込む買いで大幅高

NYダウは653.61ドル高の33286.25ドル、ナスダックは459.99ポイント高の13255.55ポイントで取引を終了した。ロシア、ウクライナ外相会談を10日に控え停戦期待に寄り付き後は上昇した。1月JOLT求人件数が過去最高となったほか、石油輸出国機構(OPEC)の増産期待に原油価格が高値から大きく反落すると、スタグフレーション懸念も後退し投資家心理の改善で一段高となった。さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領が『ある程度妥協する準備がある』と発言すると、引けにかけてさらに上げ幅を拡大した。3日の高値から昨日の安値までの4営業日で1600ドル超下げていたこともあり、短期的な戻りを見込む買いも入りやすかった。VIX指数は35.13から32.45へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好と米長期金利上昇で円売り優勢

ユーロ/ドルは、ウクライナ大統領顧問の話として『(ロシアと)外交的解決策の準備ができている』『非武装化を巡る協議を実施する用意がある』と伝わったほか、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が『(ロシアとの交渉で)一定の譲歩をする用意がある』などと発言すると、露・ウクライナ停戦合意への期待が高まり、欧米株価が大幅に上昇した。投資家のリスク回避姿勢が後退し、ユーロを買い戻す動きが活発化した。市場では『明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会や2月米消費者物価指数(CPI)など重要イベントを前にポジション調整目的の買いが入った』との声も聞かれ、一時1.1095ドルまで上値を伸ばした。明日予定されているロシア、ウクライナ、トルコの外相会談では停戦に向けた条件などについて話し合うとみられており、停戦協議の前進に期待が集まっている。なお、ドイツ株式指数(DAX)は7.9%超の大幅上昇となったほか、NYダウは一時800ドル超上昇した。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比700円高の2万5450円まで買われる場面があった。 

 

ドル/円は、一時115.95円と日通し高値を付けたものの、116.00円にかけて観測されている本邦実需勢の売りやオプション絡みの売りに上値を抑えられると失速した。対ユーロ中心にドル売りが強まった流れに沿って、一時115.50円と日通し安値を更新した。ただ、株高を背景にクロス円が上昇したため、ドル/円の下値は限定的だった。米10年債利回りが1.95%台まで上昇したことも相場を下支えし、一時115.90円付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに大幅反落:原油供給状況の改善期待から売り

NY原油先物市場は103.63ドル-126.84ドルのレンジ相場となった。ウクライナ側からロシアへの譲歩姿勢が示され、両国の停戦への期待が強まった。原油の供給状況が改善へ向かうとの観測や、地政学リスクの緩和が売りを後押しした。週明け130ドル台、昨日129ドル台を上値に、本日のNYピット取引の開始時点は117ドル台で推移していた原油価格が、一時103.63ドルまで下振れる暴落状態となった。原油在庫の取崩し継続を確認して一時的に強含む場面もあったが、大勢に影響しなかった。アジア市場で126.84ドルまで買われたが、増産観測が浮上したこと、ウクライナ側は中立議論の用意があるとの見方を伝えたことから、需給関係が著しくひっ迫するとの懸念は和らぎ、利食い売りが広がった。ニューヨーク市場の後半にかけて103.63ドルまで急落。ただ、通常取引終了後の時間外取引で110ドル台を回復している。

 

NY金先物市場は大幅反落:地政学リスクの後退で売り優勢に

NY金先物市場は1981.00-2068.50ドルのレンジ相場となった。ウクライナ側から、ロシアとの交渉に関する譲歩の姿勢を示す発言が伝わった。露・ウクライナ停戦の期待を織り込む格好で、安全資産とされる金の価格は急落した。NYタイムのピット取引開始後に週初7日以来、2日ぶりの水準1981ドルへ下振れた。昨日2078.8ドルまで急上昇した際の値幅を帳消しにした。アジア市場で2068.50ドルまで買われたが、ウクライナとロシアの停戦協議で進展が期待されたことから、利益確定を狙った売りが増えた。ニューヨーク市場の中盤にかけて1981.00ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引で2003.80ドルまで戻している。 

 

米国債券市場は続落:ウクライナ情勢の緊張緩和期待から売り優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)1.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い1.95%で終了した。ウクライナ情勢の緊張緩和期待を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米10年債入札が『低調』との見方も売りを誘った。

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