FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:アマゾンの上昇を支えにハイテクは堅調

NYダウは21.42ドル安の35089.74ドル、ナスダックは219.19ポイント高の14098.01ポイントで取引を終了した。1月雇用統計の予想外に強い結果を受けて、年内の利上げ観測が一段と強まり、金利の上昇が嫌気され、寄り付き後は下落した。同時に、雇用の改善で消費拡大期待も強まりNYダウは一時上昇に転じた。半面、米国の金融引き締めが経済を冷やすとの警戒から景気敏感株の一角に売りが出たため、引けにかけては再び失速した。一方で、オンラン小売りのアマゾンの上昇が支援し、ハイテクは終日堅調に推移した。VIX指数は24.35から23.22へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米雇用統計の結果受けドル買い強まる

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが時間外取引で1.80%台まで低下すると、一時114.74円と日通し安値を付けたものの、1月米雇用統計の結果が伝わると一転上昇した。米労働省が発表した米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比46.7万人増と予想の15.0万人増を大幅に上回ったほか、平均時給が前月比0.7%上昇/前年比5.7%上昇と予想の前月比0.5%上昇/前年比5.2%上昇を上回った。指標発表後は全般ドル買いが優勢となり、一時115.43円まで上値を伸ばした。なお、米10年債利回りは一時1.9338%前後と2020年1月以来2年1カ月ぶりの高水準を付けた。米金利先物の値動きから算出された3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利上げ確率は37%に達する場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、3日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会とその後のラガルドECB総裁の会見を受けて、ECBの年内利上げ観測が強まる中、この日もユーロ買いが続き一時1.1484ドルと昨年11月11日以来の高値を付けた。その後、予想を上回る米雇用指標を受けて、米労働市場の堅調ぶりが鮮明になると、FRBが利上げに動きやすくなるとの見方が広がり全般ドル買いが優勢になり、一時1.1412ドルと日通し安値を付けた。ただ、ECBの金融政策正常化が想定より早く進むとの見方を背景としたユーロ買いは根強く、売り一巡後は1.1464ドル付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は6日続伸:供給逼迫を意識した買い優勢

NY原油先物市場は90.07ドル-93.17ドルのレンジ相場となった。米中部・北東部が暴風雪に見舞われており、主要なシェールオイル産地が生産停止に陥るとの懸念が浮上した。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』が追加増産を見送ったことも依然として材料視されており、供給逼迫を意識した買いが進んだ。一時は93.17ドルと2014年9月以来の水準まで上昇する場面も見られた。アジア市場の序盤で90.07ドルまで小幅安となったが、地政学的リスクの高まりを警戒した買いが再び強まり、ロンドン市場で92ドル台まで上昇した。ニューヨーク市場では、米雇用統計の改善を意識した買いが入り、一時93.17ドルまで一段高となった。ただ、その後は利食い売りが増えたことで上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では92ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比2基増加の497基となった。

 

NY金先物市場は反発:持ち高調整による買いが支え

NY金先物市場は1792.10-1815.80ドルのレンジ相場となった。1月米雇用統計が予想より強い結果となったことを受け、外国為替市場でドル買いが進むと、ドル建ての金の割高感を手掛かりにした売りが先行した。一時は1792.1ドルまで下押す場面も見られた。もっとも、昨日安値の1788.5ドルがサポートとして意識されると、週末を控えた持ち高調整の買いに支えられてプラス圏を回復した。ニューヨーク市場の序盤に1815.80ドルまで買われたが、1月米雇用統計の改善を意識して利食い売りが増えたことで1792.10ドルまで反落した。その後1810.80ドルまで戻したが、米長期金利の上昇を意識して再び上げ渋り、1810ドルを下回る水準で推移した。通常取引終了後の時間外取引では1808ドル近辺でもみ合う展開となった。 

 

米国債券市場は大幅続落:米雇用統計結果から米利上げ圧力強まり売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.12%高い(価格は下落)1.31%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い1.91%で終了した。1月米雇用統計で雇用者数が予想を大幅に上回り、賃金も予想を超える伸びを示すと米利上げ圧力が強まった。市場では『米連邦準備理事会(FRB)による年内6回(0.25%)の利上げの可能性をわずかながら織り込み始めた。3月利上げ幅については0.50%の確率がやや高まった』との声が聞かれた。利回りは一時1.9338%前後と2020年1月以来2年1カ月ぶりの高水準を付ける場面があった。 

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