FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:低調な決算に加え1月雇用統計を警戒した売り

NYダウは518.17ドル安の35111.16ドル、ナスダックは538.73ポイント安の13878.82ポイントで取引を終了した。ソーシャル・ネット・ワーキング・プラットフォーム、フェイスブックを運営するメタ(FB)ほかハネウェル・インターナショナルやメルクの低調な決算に加えて、オミクロンの影響を受けた1月雇用統計の悪化を警戒し、寄り付き後は下落した。主要企業決算の強弱混合の結果や金利の上昇を受け投資家心理がさらに悪化し、引けにかけて下げ幅を拡大した。VIX指数は22.09から24.35へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ユーロやポンド絡みの取引中心

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を据え置いたものの、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で『インフレ見通しのリスクは上方向に傾いている』『短期的に特に上サイドのリスクがある』『全ての委員がインフレデータを懸念』と述べ、インフレへの警戒感を示すと独長期金利の上昇とともにユーロ買いが活発化し、一時1.1451ドルと1月14日以来の高値を付けた。なお、ラガルドECB総裁は2022年中の利上げについて質問されると、『可能性は非常に低い』としてきたこれまでの発言を一転した。『データ次第』と変え、否定的な見解を示さなかった。ECBが年内にも利上げするとの観測が高まった。

 

ドル/円は、米長期金利が上昇したことを手掛かりに円売り・ドル買いが先行したあとは114円台後半でのもみ合いとなったが、一時114.97円と日通し高値を更新した。もっとも、ユーロやポンド絡みの取引が中心となったため、NY市場でのドル円は大きな方向感が出なかった。なお、この日発表の1月米ISM非製造業指数は59.9と予想の59.5を若干上回ったものの、前月から低下し21年2月以来11カ月ぶりの低水準を付けた。

 

NY原油先物市場は大幅に5日続伸:ドル安を意識した買い優勢に

NY原油先物市場は86.75ドル-90.37ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』が昨日に従来の増産ペース維持を決めたことで需給の引き締まりが意識された。また、外国為替市場では対ユーロでドルが大幅に下落し、ドル建ての原油に割安感が生じたことも相場の下支えに。一時90.37ドルまで上昇し、終値としても2014年10月以来となる90ドル台に乗せた。 ロンドン市場で86.75ドルまで下げたが、地政学的リスクの高まりを警戒した買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で90.37ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反落:米長期金利上昇で売り優勢

NY金先物市場は1788.50-1809.50ドルのレンジ相場となった。米長期金利が上昇し、金利を生まない金は売りが先行した。一時1788.5ドルまで下押しする場面も見られた。もっとも、その後は反動から買い戻しも入り、前日終値付近まで下値を切り上げた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1788.50ドルまで売られた。その後は株安を意識して下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1805ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は下落:欧州債相場の下落に連れて売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.19%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い1.83%で終了した。欧州中央銀行(ECB)による年内利上げ観測の高まりを背景に欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。WTI原油先物価格が約7年4カ月ぶりの高値を付けたことも、インフレ懸念による債券売りを誘った。 

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