FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:年金基金によるリバランス買い

NYダウは406.39ドル高の35131.86ドル、ナスダック469.31ポイント高の14239.88ポイントで取引を終了した。米国の金融引き締めへの警戒感やウクライナ情勢を巡る緊張が続いていることが嫌気されて売りが先行したものの、すぐに持ち直した。市場では『年金基金による月末のリバランス(配分調整)の買いが入った』との声が聞かれ、一時420ドル超上昇した。ハイテクやエネルギー関連株の上昇がけん引したほか、ボーイングの上昇も手伝い、終日堅調に推移した。VIX指数は27.66から24.83へ低下した。

 

NY外国為替市場:月末に絡んだドル売りフローを観測

ユーロ/ドルは、一時1.1146ドル付近まで下押しする場面もあったが、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.1138ドルがサポートされると買い戻しが進んだ。1月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を大幅に上回ったことが分かると、市場では『インフレ懸念から欧州中央銀行(ECB)による金融政策の正常化の議論が想定より早まる』との見方が浮上しユーロ買い・ドル売りを後押しした。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローも観測されて、一時1.1248ドルまで上値を伸ばした。米国株相場が底堅く推移したことで、リスク選好のドル売りも出た。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するジョージ米カンザスティ連銀総裁は『米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の正常化の過程で、金融市場は混乱に直面するかもしれない』『より積極的な量的引き締め(QT)で緩やかな利上げが可能』などと発言した。

 

ドル/円は、1月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が65.2と予想の61.7を上回ったことで下げ渋る場面も見られたが、対ユーロなどでドル安が進むとドル円も弱含んだ。月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると、前週末の安値115.12円を下抜けて一時114.89円まで値を下げた。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁はこの日、『早ければ3月にも利上げに踏み切ると予想』『FRBは景気を支えながら年末までに政策金利を1.25%まで余裕をもって引き上げることが可能』と述べたほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁は『3月FOMCでの0.50%の利上げは好ましい政策措置ではない』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は続伸:ウクライナ情勢を巡る懸念継続で買い優勢

NY原油先物市場は86.34ドル-88.39ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢を巡るロシアと欧米諸国の対立が原油供給に影響を及ぼすとの見方が相場を下支え。また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる『OPECプラス』が2日に開催される会合でも現行の増産ペースを維持するとの見方も買い材料視された。ニューヨーク市場の中盤にかけて86.34ドルまで売られたが、株高やユーロ反発を意識し高いが入ったことで再上昇。通常取引終了後の時間外取引で88.39ドルまで一段高となった。 

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反発:ドル安・ユーロ高で買い戻し

NY金先物市場は1785.80-1800.90ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル安が進み、割安感が生じたドル建ての金に買いが集まった。米金利の上昇が一服したことも、金利が付かない金の下支え要因となった。ユーロ・ドル相場の反発を意識した買いが入っており、ニューヨーク市場の序盤に一時1800ドル台を回復した。米国株高を意識して一時伸び悩んだが、金融引き締めを警戒した換金売りは縮小した。通常取引終了後の時間外取引では1800ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は下落:欧州債券売りに連れて売り優勢に

米国債市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.17%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比1.78%で終了した。予想を上回る独インフレ指標を受けて欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及したが、そのあとは月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入ったため下げ幅を縮めた。 

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