FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:引けにかけて米国株は失速

NYダウは7.31ドル安の34160.78ドル、ナスダックは189.33ポイント安の13352.79ポイントで取引を終了した。米10-12月期国内総生産(GDP)の予想以上の高成長を好感し、寄り付き後は上昇した。原油高に伴うエネルギーセクターの上昇もけん引しNYダウは終日堅調に推移した。米長期金利が低下したため高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが先行し一時600ドル超上げたものの、引けにかけてはハイテクの売りに押されたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅な利上げを警戒した売りに主要株式指数は下落に転じた。VIX指数は31.96から30.49へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国の金融引き締め観測からドル買い継続

ユーロ/ドルは、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では3月利上げの可能性が示唆され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見では金融引き締めに前向きな姿勢が示された。また、この日発表の10-12月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率6.9%増と予想の5.5%増を上回ったことから、全般ドル買いが入りやすい地合いとなり、一時1.1132ドルと2020年6月2日以来約1年8カ月ぶりの安値を付けた。その後の戻りも1.1162ドル付近にとどまった。市場では『重要なサポートとして意識されていた昨年11月24日の安値1.1186ドルを下抜けたことで、テクニカル的に売りが出やすかった』との声も聞かれた。 

 

ドル/円は、FRBの積極的な金融引き締め観測を背景にドル買いが優勢となり、一時115.49円と11日以来の高値を付けた。市場では『インフレが悪化すれば、FRBのさらなる行動につながる可能性があるため、ドルには上値余地が残っている』との声が聞かれた。 

 

オセアニア通貨は軟調だった。高く始まった米国株相場が下げに転じると、リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。全般ドル高が進んだ影響も受けて、豪ドル/米ドルは一時0.7024米ドル、NZドル/米ドルは0.6570米ドルまで下落した。また、豪ドル/円は80.92円、NZドル/円は75.73円付近まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに小反落:ドル高で原油割高感から売り優勢

NY原油先物市場は86.20ドル-88.54ドルのレンジ相場となった。欧米株価の上昇を受け、景気回復による需要の高まりを期待した買いが先行した。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米金利先高観の強まりによるドル高で、ドル建て原油価格に割高感が生じ、上昇幅を帳消しにした。エネルギー供給不安は消えていないことから、ニューヨーク市場の序盤にかけて原油先物は一時88.54ドルまで一段高となった。ただ、米国株式は伸び悩んでいること、ドル高が続いていることから、買いは一巡した。通常取引終了後の時間外取引で一時86.20ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は大幅続落:米債利回りの先高観を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1792.70-1823.80ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派な内容と評価され、金融政策の見通しに敏感な米2年債利回りが一時1.2%台へ戻すなど、金利の先高観が強い状態になっている。金利が付かない資産である金を売る動きが続いた。米株が序盤、堅調に推移し、安全資産としての金の需要を弱める場面もあった。通常取引終了後の時間外取引では1795ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:米国株失速で長期債に買い戻し

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.18%で終了した。また、米長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.80%で終了した。前日に大幅下落した反動で買いが入ったほか、米国株の失速が債券買いを誘った。

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