FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米企業決算前を控えてポジション調整の売り強まる

NYダウは176.70ドル安の36113.62ドル、ナスダックは381.58ポイント安の14806.81ポイントで取引を終了した。12月米卸売物価指数(PPI)が予想ほど上昇せず、米長期金利が低下したため高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが先行した。指数は一時220ドル超上昇する場面があった。ただ、これから本格化する米主要企業の昨年10-12月期決算発表を前に、ポジション調整目的の売りが強まると下げに転じた。市場では『米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強めていることから、売りが出やすかった』との声も聞かれ、引けにかけて下げ幅を広げた。VIX指数は17.62から20.31へ上昇した。

 

NY外国為替市場:弱い経済指標受けドル売りが優勢

ドル/円は、12月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。高く始まった米国株相場が下げに転じたこともリスク回避の円買いを促し、一時113.97円と昨年12月22日以来の安値を付けた。なお、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事は副議長昇格の承認を得るための公聴会で『インフレ抑制は最重要課題』『インフレ抑制のための最重要手段はFF金利』『テーパリング完了後、できるだけ早く利上げを開始する準備を整えている』などと発言した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1482ドルと昨年11月11日以来約2カ月ぶりの高値を付けたものの、買い一巡後は伸び悩んだ。米国株安に伴うユーロ円の下落につれた売りが上値を抑えた。 

 

南アフリカランド/円は頭が重かった。南ア準備銀行(SARB)による利上げ観測が高まっていることから、欧州市場では一時7.50円と前日に付けた約2カ月ぶりの高値に面合わせした。市場では『1月か3月の会合で利上げするだろう』との声が聞かれた。ただ、NY市場に入ると一転下落した。同国が世界最大の産出量を誇るプラチナの先物価格が下落したことが材料視されたほか、『7.54円に位置する200日移動平均線が重要なレジスタンスとして機能している』との声が聞かれ、一時7.39円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:ポジション調整の売り優勢

NY原油先物は、81.39ドル-82.94ドルのレンジ相場となった。需給引き締まり観測が根強いなかで買い先行も、本日は83ドルに届かず。2日間で4ドル超上昇した後なだけに、ポジション調整の売りが優勢となった。プラスで始まった米株が弱含んだことも、リスク資産でもある原油の重石に繋がった。アジア市場で82.94ドルまで買われたが、米国株安を意識した売りが入ったことで、ニューヨーク市場で82ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引で81.39ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は5日ぶりに反落利益確定売り優勢

NY金先物は、1811.80-1822.10ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進行した場面でもドル建て金の反応は鈍かった。足もとで上昇が続いていたこともあり、本日は利益確定の売りが優勢となった。

 

米国債券市場は上昇:弱い米経済指標受け買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.89%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い1.70%で終了した。12月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことを受けて、債券買いが先行した。米国株相場の失速で、安全資産とされる米国債の需要が高まった面もあった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ