FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:高PERのハイテク株を中心に買い戻し

NYダウは38.30ドル高の36290.32ドル、ナスダックは34.94ポイント高の15188.39ポイントで取引を終了した。12月消費者物価指数(CPI)が前年比で40年ぶり最大の伸びを記録したと同時に一部で物価上昇ペースの鈍化も見られ、金利の上昇が一段落したため寄り付き後は上昇した。しかし、高インフレ懸念も根強く、上値も限定的となった。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で全米の経済活動の緩やかな拡大継続が確認されたものの見通しに鈍化の兆しが報告され、引けにかけては上げ幅を縮小した。相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが進んだ。ただ、足もとで堅調だった金融株の一角やディフェンシブ株に売りが出ると、指数は下げに転じる場面があった。VIX指数は18.41から17.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:米12月CPIが想定内でドル売り優勢に

ユーロ/ドルは、米労働省が発表した12月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と11月の6.8%上昇から一段と拡大し、約39年ぶりに7%台に達した。ただ、市場では『ほぼ予想の範囲内』と受け止められ、急速な米金融引き締めへの警戒感が後退した。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、一時1.1453ドルと昨年11月15日以来約2カ月ぶりの高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時94.91と11月11日以来の低水準を付けた。なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、『2021年最終週の米経済は緩やかなペースで拡大した』との認識が示され、『多くの地区が継続的な供給網の混乱と労働力不足により成長が抑制され続けた』と報告された。また、物価については『ほとんどの地区で上昇したものの、いくつかの地区ではここ数カ月のペースから若干減速した』と伝わった。

 

ドル/円は、米重要指標の発表を前にしばらくは115円台半ばでのもみ合いが続いていたが、12月米インフレ指標発表後に全般ドル売りが強まると、節目の115.00円や一目均衡表基準線が位置する114.75円を下抜けて一時114.33円まで下げ足を速めた。市場関係者からは『米物価上昇率は非常に大きかったが、予想とほぼ一致。マーケットがすぐに反応したことを踏まえると、一段の上昇を見込んでいたと思われる』との声が聞かれた。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁は『インフレ高進の中で3月利上げの可能性はかなり高い』『現時点では今年4回の利上げを予想』などと述べた。同総裁は先週、『昨年12月時点で今年3回の利上げを想定』と発言していた。 

 

NY原油先物市場は続伸:ドル安や強い原油需要の見方から買い優勢

NY原油先物市場は81.17ドル-83.10ドルのレンジ相場となった。2022年も原油需要は供給を上回るとの見方が広まるなか、本日も買いが先行した。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫では、7週連続の取り崩しが見込まれていた原油は-455.3万バレルと一部予想よりもマイナス幅が拡大した。これを受けて上昇に勢いがつき、一時約2カ月ぶりとなる83ドル台に乗せる場面もあった。アジア市場で81.17ドルまで売られたが、ドル安進行を意識した買いが入ったことで反転し、ニューヨーク市場で83.10ドルまで一段高となった。米長期金利が伸び悩んだことも材料視された。通常取引終了後の時間外取引では主に82ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は4日続伸:ドル安やインフレヘッジによる買い優勢

NY金先物市場は1814.40-1828.20ドルのレンジ相場となった。為替相場でユーロ/ドルが約2カ月ぶりに1.14ドル台に乗せるなどドル安が全般に進み、割安感が生じたドル建ての金は買いが優勢となった。12月米消費者物価指数(CPI)が前年比で約39年ぶりに7%台に乗せたことも、インフレヘッジとしての金需要に繋がった。アジア市場の終盤にかけて1814.40ドルまで売られたが、主要通貨に対するドル安が進行したことから、金買いが強まり、ニューヨーク市場で1828.20ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも1825ドルを上回る水準で推移している。 

 

米国債券市場は下落:セントルイス連銀総裁の年4回の利上げ発言で売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.91%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い1.74%で終了した。12月米消費者物価指数(CPI)がほぼ予想通りの内容となったことを受けて、急速な米金融引き締めへの警戒感が後退すると買いが先行したものの、終盤失速した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁が『現時点では今年4回の利上げを予想』などと述べたことが売りを誘った。 

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