FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:トルコ情勢による警戒感から上値重い

NYダウは125.44ドル安の25187.70、ナスダックは19.40ポイント安の7819.71で取引を終了した。朝方は、堅調な内容が続く四半期決算を背景とした期待感や前週末の株価下落を受けた買戻しの動きから買いが先行した。しかし、トルコ情勢をめぐる根強い警戒感から徐々に売りに押された。素材やエネルギー、金融株などを中心に売られ一時160ドル近く下落した。投資家のリスク選好姿勢が後退しており、今後の展開を見極めたいとの思惑も根強く、終日軟調推移となった。VIX指数は13.16から14.78へ上昇した。

 

NY外国為替市場:トルコ情勢を巡る懸念が根強い展開

ドル/円は、トルコ中銀が市中銀行を支える流動性強化などの措置を発表したため、一旦トルコリラ売りが一段落した。また、『トルコに拘束されている米国人牧師ブランソン氏が15日までに釈放される』との噂が伝わると、過度なリスク回避姿勢が後退した。NYダウ先物の持ち直しや日経平均先物の上昇に伴う買いが入り一時110.94円まで値を上げた。ただ、駐トルコの米大使館がこの噂を否定したこともあって、買い戻しの勢いは長続きしなかった。小高く始まったNYダウが失速し150ドル超下げたことが相場の重しとなり、一時110.60円付近まで上値を切り下げた。米長期金利が一時低下に転じたことも嫌気された。ユーロ/ドルは、米国人牧師絡みの噂で一時1.1433ドルまで値を上げたもののその後は失速した。ユーロ/円やユーロ/スイスの下落につれた売りが出た。トルコ情勢を巡る懸念が根強いことも相場の重石となった。

 

NY原油先物市場は反落:新興国通貨安と米ドル高を嫌気

NY原油先物市場は一時65.71ドルまで売られた。週明けも新興国通貨の不安定な動きが継続し、投資家のリスク回避志向が根強く、原油は売りが優勢となった。また、OPECの月報で加盟国の7月の産油量がやや増加したことが示されたことも、原油の上値を圧迫した。また、ドルがユーロに対して強くなったことも上値を抑えた。

 

NY金先物市場は続落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は一時1198.60ドルまで売られた。週明けもトルコリラが対ドルで史上最安値を更新し、ユーロ/ドルが昨年7月以来の安値を更新するなど、ドル高が継続し、金は割高感から約1年6ヵ月ぶりの1200ドル割れとなった。

 

米国債券市場は反落:ポジション調整的な展開

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.88%で終了した。トルコ情勢への警戒が引き続き債券買いを誘ったものの、米国株が朝方高く始まったことで売りが優勢となる場面もあった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ