FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:感染拡大で経済活動が停滞するとの懸念を嫌気

NYダウは532.20ドル安の35365.44ドル、ナスダックは10.75ポイント安の15169.68ポイントで取引を終了した。国内でも新型コロナのオミクロン変異株感染が急増し、回復を抑制するとの警戒感に寄り付き後は下落した。四半期ごとに実施される引け後の指数のリバランシングを見据え、さらに、株価指数の先物やオプション、シングル株オプションなど4つの取引期限が重なるクアドラプル・ウィッチングでテクニカルな売りも重石となった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事の『3月連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げも選択肢となる』とのタカ派発言も売り材料となり、終日軟調に推移した。感染拡大による規制強化で、経済活動が停滞するとの懸念が高まると、アメリカン・エキスプレスやキャタピラーなど景気敏感株に売りが出た。米長期金利の低下でゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も売られた。原油安を背景にシェブロンも値下がりした。 VIX指数は20.57から21.57へ上昇した。

 

東京外国為替市場:欧米株安でリスク回避のドル買い・円買い

ユーロ/ドルは、欧米で新型コロナウイルスの感染者数が増加する中、行動規制による景気への悪影響が懸念されると株価が下落。リスク回避のドル買いが優勢となり、取引終了間際に一時1.1235ドルと日通し安値を更新した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が『3月のFOMCでの利上げもあり得る』『利上げ後すぐにバランスシートを縮小することも可能』などと発言したこともドル買いを誘った。なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は『必要ならばインフレに対応することに躊躇しない』『インフレを深刻に捉えている』と述べたほか、ウンシュ・ベルギー中銀総裁は『ECBは本質的にインフレ目標を達成した』などと述べたものの、相場の反応は限られた。 

 

ポンド/ドルは頭が重かった。英中銀が前日に予想外の利上げに踏み切ったことを受けて、欧州序盤に一時1.3339ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.3374ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。欧米株価の下落を背景にリスク回避のドル買いも入り、一時1.3232ドルと日通し安値を更新した。市場では『英国では新型コロナ新規感染者が9万3045人と3日連続で過去最多を記録しており、景気への悪影響が懸念される』との声が聞かれた。

 

ドル/円は、時間外のNYダウ先物や欧州株の下落を受けてリスク回避の円買いが先行すると一時113.10円と6日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に買い戻しが進んだ。NYダウが一時610ドル超下落したことを受けてリスク回避のドル買いが入ると、一時113.77円付近まで持ち直した。ウォラーFRB理事のタカ派的な発言も相場を下支えした。 

 

NY原油先物市場は反落:欧米株安からリスク回避の売り優勢

NY原油先物市場は69.70ドル-72.05ドルのレンジ相場となった。世界的なオミクロン株の感染拡大でエネルギー需要の減退が懸念され、売りが優勢となった。米国株が大幅下落するなど投資家のリスク回避姿勢が強まり、リスク資産の原油に売り圧力が強まる中、為替相場でドル高・ユーロ安が進んだのも、ドル建ての原油に割高感が生じ、原油の売りを後押しした。アジア市場で72.05ドルまで買われたが、株安を嫌気した売りが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて69.70ドルまで下落した。その後、71ドル台を一時回復したが、株安やユーロ安を意識した売りが再び強まり、通常取引終了後の時間外取引で70ドル台前半まで下げている。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増かの475基となった。

 

NY金先物市場は続伸:換金目的の売りで上値の重い展開

NY金先物市場は1796.50-1815.70ドルのレンジ相場となった。世界的なオミクロン株の感染拡大への懸念で米国株が大幅安となり、米長期金利が低下し、安全資産の金が買われた。ただ、為替市場でドル高・ユーロ安が進み、ドル建ての金に売りも入り、上値は限られた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1815.70ドルまで買われたが、ユーロ安・米ドル高の相場展開を嫌気した売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で1796.50ドルまで下落した。換金目的の売りも観測された。

 

米国債券市場はまちまち:米国安でリスク回避の長期債買い

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比+0.03%高い(価格は下落)0.63%で終了した。長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.40%で終了した。ウォラーFRB理事のタカ派発言を受け中期債は売られた。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気して株価が軟調に推移すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

 

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