FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:11月米CPI発表を控え上値を追う展開にならず

NYダウは0.06ドル安の35754.69ドル、ナスダックは269.62ポイント安の15517.37ポイントで取引を終了した。重症化は回避できるとの見方も、英国が規制強化に踏み切るなど世界で新型コロナのオミクロン変異株感染急拡大への懸念が根強く寄り付き後は下落した。しかし、週次失業保険申請件数が52年ぶり低水準を記録し労働市場の強い回復を受けて上昇に転じた。ただ、明日に消費者信物価指数(CPI)の発表を控えハイテク株の下落が重石となり伸び悩んだ。VIX指数は19.90から21.58へ上昇した。

 

NY外国為替市場:10日の11月米CPI発表を控え方向感出ず

ユーロ/ドルは、『欧州中央銀行(ECB)は来週16日の定例理事会で、従来の資産購入プログラム(APP)を一時的かつ限定的に拡大することを検討する』との観測報道を受けて、全般ユーロ売りが先行した。この報道による欧州長期金利の低下もユーロ売りを促し、一時1.1279ドルまで値を下げた。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大を受けて欧州などで行動制限を強化する動きが出ており、ユーロの重しとなった面もあった。

 

ドル/円は、格付け会社フィッチ・レーティングスが中国恒大集団の格付けを『C』から部分的な債務不履行(デフォルト)に相当する『RD』に引き下げたことを受けて、欧州株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが出て一時113.24円まで値を下げた。ただ、前週分の米新規失業保険申請件数が18.4万件と予想の22.0万件より強い内容だったことが分かると買い戻しが優勢になった。また、米30年債入札後に米長期金利が低下幅を縮小すると、ドル円にも買いが入り113.64円付近まで下げ幅を縮めた。もっとも、10日発表の11月米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的に買い戻しが進む展開にもならなかった。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:中国原油需要が減退するとの思惑

NY原油先物市場は70.39ドル-73.34ドルのレンジ相場となった。格付け会社フィッチ・レーティングスが中国恒大集団の格付けをデフォルトに相当する『RD』に引き下げたことを受け、中国の原油需要が減退するとの思惑から、原油先物は4日ぶりに反落して引けた。オミクロン株の感染拡大により、英国やデンマークなどの欧州国が、経済活動の規制をかけることも重石になった。アジア市場で73.34ドルまで買われたが、欧米株式のさえない動きやユーロ安を嫌気して売りが次第に強まり、通常取引終了後の時間外取引で70.39ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:ユーロ安を嫌気した売り

NY金先物市場は1773.30-1788.40ドルのレンジ相場となった。ドルが強含んだ影響で、ドルで取引される金先物は割高感から上値が重かった。もっとも、株式市場が軟調な動きになり、市場がリスク回避になると安全資産としての買いが入り下値も限られた。 ロンドン市場の序盤で1788.40ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の後半にかけて1773.30ドルまで反落した。ユーロ安が嫌気された。通常取引終了後の時間外取引でも1780ドルを下回る水準で推移している。

 

米国債券市場はまちまち:欧州債相場の上昇に連れて米長期ゾーンに買い

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.69%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.50%で終了した。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大を受けて欧州債相場が上昇すると、米国債にも買いが波及したものの、10日発表の11月米消費者物価指数(CPI)を前に大きな方向感は出なかった。

 

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