FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米経済への過度な懸念後退で買い優勢

NYダウは236.60ドル高の35135.94ドル、ナスダックは291.18ポイント高の15782.83ポイントで取引は終了した。『オミクロン株』の感染拡大への懸念から、前週末に今年最大の下げとなった反動が出た。寄り付き直後に一時380ドル超上げたあとは戻り売りが優勢となり、下げに転じる場面もあった。しかし、バイデン米大統領が『現時点で経済閉鎖やロックダウンは考えていない』との見解を示すと、米経済の先行きに対する過度な懸念が後退し再び350ドル超上げた。VIX指数は28.62から22.96へ低下した。

 

NY外国為替市場:過度なリスク回避姿勢が後退でドル買い戻し

ドル/円は、新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大への懸念から、前週末に今年最大の下げとなったNYダウが一時380ドル超上昇すると投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.56%台まで上昇したこともドル買いを促し、アジア時間の高値113.88円を上抜けて一時113.96円まで上値を伸ばした。10月米住宅販売保留指数が前月比7.5%上昇と予想の1.0%上昇を大幅に上回ったことも相場の支援材料となった。その後、NYダウが下げに転じるとドル/円にも売りが出て113.56円付近まで下押ししたものの、バイデン米大統領が『現時点でロックダウンは考えていない』との見解を示すと、米経済の先行きに対する過度な懸念が後退しNYダウが再び350ドル超上昇した。ドル/円も113.83円付近まで強含んだ。もっとも、引けにかけては米長期金利の動向につれて113.50円台まで押し戻されている。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は明日30日の米上院銀行委員会で『オミクロン株はインフレの不確実性を増大させる』『オミクロン株は経済、雇用に下振れリスクをもたらす』『FRBはインフレが定着することを阻止するため手段を講じる』『インフレを加速させる要因は2022年にかけて継続』(証言原稿)との見解を示すと伝わった。 

 

ユーロ/ドルは、一時1.1295ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値1.1320ドルを上抜けることは出来なかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いがじわりと強まると、一時1.1258ドルと日通し安値を付けた。ただ、引けにかけては1.1293ドル付近まで持ち直した。なお、11月独消費者物価指数(CPI)速報値は予想より強い内容となったものの、相場の反応は限られた。

 

トルコリラは、対円では一時8.83円まで下落したほか、対ドルでは12.8639リラまで売られる場面があった。エルドアン・トルコ大統領が『利上げを擁護したこともないし、今後も支持するつもりはない』『(引き下げを求める)金利について妥協しない』と述べ、低金利を維持する姿勢を改めて強調するとリラ売りが優勢となった。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:急落した反動買い優勢

NY原油先物市場は68.86ドル-72.93ドルのレンジ相場となった。前週末に急落した反動で時間外から買い戻しが先行した。リスクセンチメントの改善にも後押しされ、NY朝には一時72ドルまで反発した。もっともその後は上値を切り下げる展開になった。欧州では、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染がジワリと広がりつつある。今後、感染抑制のために移動制限が強化されれば、エネルギー需要の鈍化は避けられないとの懸念が重石となった。新型コロナウイルス変異株の感染拡大が警戒されているが、ニューヨーク市場の序盤にかけて72.93ドルまで買われた。欧米株式の反発を期待した買いが入った。ただ、原油需要見通しは不透明であることから、戻り売りも観測されており、一時68.86ドルまで下げる場面があった。 

 

NY金先物市場は小幅反落:リスク回避後退で上値切り下げ

NY金先物市場は1782.00-1801.50ドルのレンジ相場となった。時間外で1800ドル台に乗せる場面はあったものの、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)を背景としたリスク回避の動きが後退するにつれて、安全資産とされる金は上値を切り下げた。為替でドルが対ユーロで買われたことも、ドル建て金の重石となった。ロンドン市場で1801.50ドルまで買われた後、ニューヨーク市場で1782.00ドルまで下落した。

 

米国債券市場はまちまち:米国株高によるリスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.48%で終了した。また。長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.50%で取引を終了した。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大への懸念が和らぎ、米国株相場が反発した。安全資産とされる米国債に売りが出た。

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