FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅下落:新型コロナ変異株が確認されリスク回避の売り

NYダウは905.04ドル安の34899.34ドル、ナスダックは353.57ポイント安の15491.66ポイントで取引を終了した。新たに検出された新型コロナの南ア変異株が世界経済の回復を損ねるとの懸念にアジアや欧州市場の流れを継いで、寄り付き後は大きく下落した。南アフリカで感染力が強いとされる新型コロナウイルス変異株が確認されたことで世界経済の先行き不透明感が広がり、リスク回避の売りが膨らんだ。消費や航空関連が下げを主導し、一時1054ドル下げた。下げ幅は今年最大となった。 短縮取引で参加者が限られる中、終日安値を探る展開となった。VIX指数は18.58から28.62へ大幅上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買い・ドル売り強まる

ドル/円は、南アフリカで感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異型が確認されたのをきっかけに経済の先行き不透明感が広がり、世界的に株価が急落した。リスク回避の円買い・ドル売りが優勢となった。米10年債利回りが一時1.4697%前後と10日以来の低水準を付けたことも相場の重石となり、一時112.98円まで下げ足を速めた。その後の戻りも113.56円付近にとどまった。市場関係者からは『本日は米感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場が短縮取引となったため、取引参加者が少なく市場流動性が低下した。薄商いの中、値が振れやすい面もあった』との声が聞かれた。なお、世界保健機関(WHO)は新型コロナ変異型を最も警戒レベルが高い『懸念される変異型』に分類し、『オミクロン株』と命名した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の大幅低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.1331ドルと日通し高値を付けた。なお、新型コロナ変異株を巡る懸念が高まる中、米短期金融市場では米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測が後退した。 

 

トルコリラ/円は一時8.96円まで下落する場面があった。エルドアン・トルコ大統領が『トルコの金利は今後低下する』『国民が高金利に苦しむことはなくなるだろう』と述べ、低金利を維持する姿勢を改めて強調した。トルコ中銀の金融緩和スタンスが継続するとの見方が広がり、リラ売りも進んだ。

 

NY原油先物市場は大幅続落:経済活動停滞による需要鈍化懸念から売り

NY原油先物市場は67.40ドル-78.65ドルのレンジ相場となった。南アフリカで感染力が高い新たな変異株が検出されたことを受けて、経済活動の停滞によるエネルギー需要の鈍化懸念が強まった。投資家のリスク回避姿勢が急速に高まる中、リスク資産の原油は暴落し、1月限は一時67.40ドルと約2カ月半ぶりの水準まで下落した。アジア市場の序盤に78.65ドルまで買われた後は反落。特定された新型コロナウイルス変異株の感染拡大によって都市封鎖や行動制限が広がり、原油需要は減少するとの懸念が高まった。1バレル=72ドルを下回った後は下げが加速し、一時67.40ドルまで一段安となった。米国の石油掘削装置(リグ)か稼働数は前週末比6基増加の467基になった。

 

NY金先物市場は小幅続伸:換金目的の売り強まる

NY金先物市場は1778.60-1816.30ドルのレンジ相場となった。南アフリカで新たに確認された変異株への警戒感で金融相場全体が大荒れとなる中、安全資産とされる金は買いが先行した。ただ、買いが一巡すると換金目的の売りが入り、急速に上げ幅を縮小した。ロンドン市場で1816.30ドルまで買われた後、換金目的の売りが増えたことによってニューヨーク市場の中盤にかけて1778.60ドルまで下落した。ただ、米長期金利が低下したことや、ユーロ安が一服したことから、金先物は下げ渋った。

 

米国債券市場は大幅上昇:世界的な株価下落でリスク回避の債券買い

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅に上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.14%低い(価格は上昇)0.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.16%低い1.47%で取引を終了した。アフリカ南部で感染力が強いとされる新型コロナウイルス変異株が確認されたことで世界経済の先行き不透明感が広がり、世界的に株価が下落した。安全資産とされる米国債に買いが入った。利回りは一時1.4697%前後と10日以来の低水準を付けた。

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