FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:好調な企業決算受け買い優勢

NYダウは194.55ドル高の35813.80ドル、ナスダックは79.62ポイント安の15775.14ポイントで取引を終了した。好調な企業決算を受けて、寄り付き後は上昇した。同時に、コストの上昇が利益率を圧迫しているとの指摘が多く警戒感が広がった。また、11月サービス業PMI速報値が予想外に低下すると一時下落に転じたが、引けにかけては再び上昇して、上げ幅を拡大した。金利の上昇を嫌いハイテク株は売られ、ナスダック総合指数は下落した。米長期金利が一段と上昇すると、利ざや改善期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。原油高を背景に石油株も堅調だった。VIX指数は19.17から19.38へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇するとドル買い戻し優勢に

ドル/円は、日本時間夕刻に米中関係悪化を警戒して一時114.47円まで売られたあとはじり高の展開となった。前日にバイデン米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を再任する方針を発表したことを受けて、米金融緩和の縮小が進むとの見方から円売り・ドル買いが進行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが約1カ月ぶりに1.68%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時115.19円と2017年3月以来約4年8カ月ぶりの高値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、明日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月2-3日分)などの重要指標を控えているうえ、25日の感謝祭の祝日を前に1.12ドル台半ばで大きな方向感は出なかった。

 

産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物価格の上昇を背景に、カナダドルやノルウェークローネに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2660カナダドル、対円では90.95円と日通し高値を付けた。ノルウェークローネは対ユーロで10.0063クローネ、対円では12.94円まで値を上げた。米ホワイトハウスはこの日、石油価格の抑制に向け、戦略石油備蓄から5000万バレル放出すると表明。中国やインド、日本なども協調して国家備蓄を放出すると伝わった。ただ、この報道後に原油価格は上昇に転じ買い圧力は徐々に強まった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国など主要産油国が増産計画を見直すとの見方が根強いことや、『石油備蓄放出による需給緩和への効果は限られる』との観測が買いを後押しした。

 

トルコリラは暴落した。対ドルでは一時13.4539リラと前日比で18%超急落し、史上最安値を更新した。対円でも一時8.54円と15%を超す暴落となった。エルドアン大統領は前日、『高金利で通貨安が進む悪循環ではなく、投資や生産、雇用に着目した経済政策が必要』と語り、インフレが高進する中での利下げは正当であると改めて主張した。中銀による追加利下げが適切との考えを示した。トルコ中銀の金融緩和スタンスが継続するとの見方が広がる中、この日もリラ売りが継続した。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。市場では『一種のセリングクライマックスだった可能性がある』との声も聞かれ、ドルリラは12.26リラ、リラ円は9.36円台まで急速に下げ幅を縮めた。『エルドアン大統領は通貨リラの下落を巡り、カブジュオール・トルコ中銀総裁と会談した』との報道も買い戻しを誘った。もっとも、トルコ中銀が『極端なボラティリティの時にのみ介入可能』『為替レートの水準についてコメントせず』との声明を発表すると買い戻しの勢いは後退した。

 

NY原油先物市場は続伸:押し目買い根強く反発

NY原油先物市場は75.30ドル-78.86ドルのレンジ相場となった。日米中などの石油備蓄の放出決定を受けて一時2%安と10月上旬以来の水準まで下落したが、押し目買い意欲も強く反発した。石油備蓄放出を受けて、石油輸出国機構(OPEC)加盟国など主要産油国が増産計画を見直すとの見方が根強いことや、世界的にエネルギー需要が増加する中、石油備蓄放出が需給緩和への効果は限られるとの観測が原油の買い戻しを後押した。ニューヨーク市場の序盤で75.30ドルまで下げたが、まもなく反転し、78.86ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では78ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日続落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1781.70-1812.50ドルのレンジ相場となった。昨日にバイデン米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の再任方針を示したことを受けて上昇した米長期金利はこの日も一段と上昇基調を強め、金利を生まない金はさえない動きとなった。アジア市場で1812.50ドルまで買われた後は伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて1781.70ドルまで下落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1792.20ドルまで戻した。

 

米国債券市場は下落:パウエル米FRB続投で金融緩和縮小が継続との見方

米港債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.61%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.67%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が続投する見通しとなったことを受けて、米金融緩和の縮小が進むとの見方から債券売り(利回りは上昇)が進んだ。利回りは一時1.6824%前後と約1カ月ぶりの高水準を付けた。 

 

 

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