FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:シスコシステムズがNYダウを押し下げ


NYダウは60.10ドル安の35870.95ドル、ナスダックは72.14ポイント高の159993.71ポイントで取引を終了した。昨日引け後に発表された決算に失望したシスコシステムズ(CSCO)の下落がダウを押し下げ、寄り付き後は下落した。世界で新型コロナ感染が再流行しているため景気回復懸念が広がったほか、連邦準備制度理事(FRB)のパウエル議長再任の行方もいまだ不透明で警戒感が台頭し終日軟調に推移した。ただ、押し目では、小売り企業の強い決算を好感した買いも散見され、引けにかけて下げ幅を縮小した。ナスダックは好決算を発表した半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の上昇がけん引し上昇、史上最高値を更新し終了した。VIX指数は17.11から17.59へ上昇した。

 

NY外国為替市場:NYダウ下げ幅縮小でドル売り圧力は後退

ユーロ/ドルは、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.57%台に低下したタイミングでユーロ買い・ドル売りが進行した。ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いも入り、一時1.1374ドルと日通し高値を更新した。市場では『1.1340ドルには23日期限のオプションが観測されており、しばらくは同水準を挟んでの値動きとなったが、米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りで1.1350ドル超えにあったストップロスの買いを付ける動きとなった』との声が聞かれた。

 

ドル/円は、11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数が予想を上回ったことで円売り・ドル買いが先行し、一時114.48円と日通し高値を更新した。ただ、NYダウが一時270ドル超下落し、米長期金利が低下に転じるとドル円にも売りが出て114.16円付近まで押し戻された。もっとも、NYダウが下げ幅を縮小し、ナスダック総合がプラス圏を回復するとドル円への売り圧力は後退した。引けにかけては114.20円台まで持ち直した。

南アフリカランドは対ドルで一時15.7657ランドと昨年11月以来約1年ぶりの安値を付けたほか、対円では7.25円と8月24日以来約3カ月ぶりの安値を更新した。南アフリカ準備銀行(SARB)が政策金利を現行の3.50%から3.75%に引き上げたと伝わると、買い戻しが先行したものの、反応は一時的だった。クガニャゴSARB総裁は会見で『総合インフレ率の軌道と上方リスクを踏まえて、インフレ期待を抑制し、主要政策金利の将来的な道筋を緩やかなものにするためには、緩やかな利上げで十分と判断した』などと発言した。『金融政策の引き締めペースは市場が織り込むペースよりも大幅に緩やかなものになる可能性がある』との見方が浮上した。市場では『トルコリラの急落を受けて新興国通貨に売りが波及した』との指摘もあった。リラは対ドルで11.3118リラ、対円で10.10円まで急落し、史上最安値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:良好な経済指標受け需要回復期待

NY原油先物市場は76.44ドル-78.80ドルのレンジ相場となった。ユーロなど主要通貨に対してドルが伸び悩み、ドル建て原油相場を下支えした。11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数など、米景況指数の好結果も需要回復への期待を後押しし、原油の買いを促した。しかし先日、戦略石油備蓄(SPR)追加放出を検討するとした米国が、日本など同盟国や中国にも戦略備蓄の放出を検討するよう要請したとのニュースが重しとなった。需給緩和が意識され、原油価格の上伸を抑制した。アジア市場で76.44ドルまで下げた後、ユーロ安ドル高が一服したことから、ニューヨーク市場にかけて78ドル台まで反発した。需給ひっ迫の状態は年内に解消されるとの見方が広がっており、78ドル台では戻り売りも観測されたが、一時78.80ドルまで買われており、通常取引終了後の時間外取引でも78ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は反落:米国株が持ち直すと売り優勢に

NY金先物市場は1856.60-1873.30ドルのレンジ相場となった。米主要株価3指数が軒並みマイナスとなるなか、安産資産とされる金が買われる場面もあった。しかし、ナスダック総合指数がプラス圏を回復し、S&P500も小幅高になった。また、NYダウも下落幅を縮小いsた。リスク回避姿勢の後退から、昨日3営業日ぶりに反発した金相場は売り優位に転じて、マイナス圏へ沈んだ。アジア市場の序盤で1873.30ドルまで買われたが、戻り売りが増えことで金先物の上値は次第に重くなり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1856.60ドルまで下落した。ユーロ安が一服したことから、一時1867.50ドルまで戻したが、買いは続かず、通常取引終了後の時間外取引で1860ドルを再び下回った。

 

米国債券市場はまちまち:売買が交錯してもみ合い相場

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.58%で終了した。予想を上回る米経済指標を受けて売りが出た半面、10年物価連動国債(TIPS)入札が堅調な需要を集めたことで買いが入り相場はもみ合いとなった。 

 

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