FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米金利上昇を嫌気した売り優勢

NYダウは12.86ドル安の36087.45ドル、ナスダックは7.11ポイント安の15853.85ポイントで取引は終了した。バイデン大統領の1兆ドル規模のインフラ投資法案成立や11月NY連銀製造業景気指数が予想以上に上昇したため景気回復ペース加速期待に寄り付き後は上昇した。同時に、インフラ法案の歳出がインフレのさらなる上昇に繋がるとの懸念に金利が上昇すると引けにかけて下落に転じた。米長期金利が上昇したことで、高PER(株価収益率)銘柄であるハイテク株の一角に売りが出た。半面、ドバイ航空ショーで航空機の受注が多数あったと発表したボーイングが5%超上昇し、相場を下支えした。VIX指数は16.29から16.49へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ユーロ/ドルは、11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が30.9と予想の22.0を上回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.6300%前後まで上昇すると、ユーロ売り・ドル買いが活発化し、前週末の安値1.1433ドルや節目の1.1400ドルを下抜けて一時1.1356ドルと昨年7月以来の安値を更新した。市場関係者からは『欧州では新型コロナウイルス感染が再拡大しており、ユーロの重しとなっている』との声も聞かれた。また、ドイツでは次期連立政権の樹立に向け交渉中の3党がより厳しい制限措置の再導入を排除しない意向を示した。  

 

ドル/円は、米経済指標が予想を上回り、米長期金利が上昇したことで円売り・ドル買いが優勢となった。アジア時間の高値114.05円を上抜けて、114.21円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時95.60と昨年7月以来の高値を付けた。

 

NY原油先物市場は小反発:航空機燃料の需要回復を意識した買い

NY原油先物市場は79.30ドル‐81.20ドルのレンジ相場となった。米国が戦略石油備蓄(SPR)を追加放出するとの見方から、供給不足が解消されるとして重い動きが先行した。しかし、米国が日本への渡航規制を最低レベルに引き下げるなど航空機燃料の需要回復を意識させるニュースも伝わり、引けにかけて小幅高へ転じた。アジア市場の序盤で81.20ドルまで買われた後、ポジション調整的な売りが優勢となり、ニューヨーク市場の序盤にかけて79.30ドルまで下げ幅が拡大する場面があった。しかしながら、需給ひっ迫を想定した押し目買いも入っており、通常取引終了後の時間外取引で81.00ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は8営業日ぶりに反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は1858.50-1873.00ドルのレンジ相場となった。米金利上昇・ドル高が進むなか4日以来の反落となった。ドル高がドル建て金相場の割高感につながった。米金利上昇も、金利を生まない資産である金の相対的な価値低下になると受け止められた。アジア市場で1858.50ドルまで下落したが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1873.00ドルまで戻した。主要通貨に対するドル買いが優勢となったことから、一時1860.20ドルまで反落。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1870.20ドルまで戻しており、やや下げ渋る展開となった。

 

米国債券市場はまちまち:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%引き(価格は上昇)0.51%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.61%で終了した。11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて、債券売りが広がった。市場では『来週25日の感謝祭の祝日を控えて、流動性が低下する前に売りを進めた向きもあった』との声が聞かれた。 

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