FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:インフレ加速が警戒され売り優勢に

NYダウは240.04ドル安の36079.94ドル、ナスダックは263.83ポイント安の15622.71ポイントで取引を終了した。10月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り30年ぶり最大の伸びを記録したためインフレ加速が警戒され寄り付き後は下落した。金利の上昇でハイテク株も売られ、終日軟調に推移した。NYダウは史上最高値圏にあるだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。VIX指数は17.78から18.73へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い加速

ドル/円は、10月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行した。米30年債入札が『低調』と受け止められ、米長期金利が上昇幅を拡大するとドル買いが加速し、一時114.01円と日通し高値を付けた。その後の下押しも113.73円付近にとどまった。なお、米労働省が発表した10月米CPIは前年同月比で6.2%上昇と9月の5.4%から加速し、1990年11月以来約31年ぶりの6%台乗せを記録した。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米インフレ指標を受けて米早期利上げ観測が高まると、全般ドル買いが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.58%台まで上昇するとドル買いが活発化し、一時1.1476ドルと昨年7月以来の安値を更新した。 

 

トルコリラは対ドルで一時9.8757リラと史上最安値を更新した。来週のトルコ中銀会合の追加利下げ観測が高まる中、予想を上回る米物価指標を受けて全般ドル買いが進んだ影響を受けた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:米大統領が価格の抑制策を模索するよう指示

NY原油先物市場は80.81ドル-84.97ドルのレンジ相場となった。時間外では上値を伸ばしたものの節目の85ドル手前から失速した。伸び悩んでいるところで、米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計で原油が3週連続の積み増しだったことが分かるとポジション調整の売りが進んだ。バイデン大統領がエネルギー価格の抑制策を模索するよう米国家経済会議(NEC)に指示したことも嫌気された。米国株が下げ幅を拡大するとリスク資産でもある原油への売りが強まり、引けにかけて81ドルを割り込む場面があった。アジア市場の序盤で84.97ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことによってロンドン市場で83ドル台半ばまで反落。ニューヨーク市場では、米インフレ率の上昇や主要通貨に対するドル買いが活発となったことから、売りが一段と強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で一時80.81ドルまで一段安となる場面があった。 

 

NY金先物市場は5日続伸:インフレ警戒感から金買い

NY金先物市場は1823.00-1870.60ドルのレンジ相場となった。10月米消費者物価指数(CPI)が前年比で約31年ぶりに6%台を記録し、インフレへの警戒感が急速に高まるとヘッジ先として金に資金が向かった。投機筋のショートカバーを巻き込み、一気に6月以来の水準となる1870ドル付近まで値を上げた。ただその後、為替でドル高が進行するとドル建ての金も上げ幅を縮小して終えている。ニューヨーク市場の序盤にかけて1823.00ドルまで下げたが、米インフレ率の上昇を受けて1870.60ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に1850ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は大幅反落:米早期利上げ観測高まり売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は上昇)0.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い1.55%で終了した。10月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて、米早期利上げ観測が高まると債券売りが広がった。30年債入札が『低調』と受け止められたことも相場の重し。 

 

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