FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:景気回復期待と低金利継続の思惑から買い優勢

NYダウは104.27ドル高の36432.22ドル、ナスダックは10.77ポイント高の15982.36ポイントで取引を終了した。すでに上院通過済みの超党派のインフラ案を議会下院が週末可決したことに加えて、ワクチン接種完了者などに対する入国規制の緩和で、回復期待が広がり、寄り付き後は上昇した。連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長を始め高官がイベントで、高インフレがいずれ鈍化するとのハト派的な見解を繰り返したため低金利が当面継続するとの見方も手伝い、終日堅調に推移した。主要株式指数は連日で史上最高値を更新し終了した。VIX指数は16.48から17.22へ上昇した。

 

NY外国為替市場:クラリダFRB副議長の発言受けドルは失速

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控える中、全般ドル売りが先行した。クラリダFRB副議長が『利上げを検討するのはまだずっと先だ』『政策金利を引き上げる必要条件は2022年末までに満たされる可能性』と発言すると、早期利上げ観測が後退しドル売りを誘った面もあった。前週末の安値113.30円を下抜けて、一時113.05円と10月12日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。ただ、同日安値の113.00円がサポートとして意識されると下げ渋る展開になった。パウエル議長が金融政策について言及しなかったことが分かると、一時113.29円付近まで買い戻された。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.50%台まで上昇したことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長の講演を控えて、全般ドル売りが優勢になると一時1.1595ドルと日通し高値を更新した。クラリダFRB副議長の発言もユーロ買い・ドル売りを誘った。 

 

NY原油先物市場は続伸:景気回復による需要増への期待から買い優勢

NY原油先物市場は81.05ドル-82.67ドルのレンジ相場となった。先週の石油輸出国機構(OPEC)プラスによる追加増産の見送りが依然として相場の支えになった。また米下院が先週末に1兆ドル規模のインフラ投資法案を可決し、景気回復による需要増への期待から買い安心感が広がった。一方、バイデン米大統領が高騰するガソリン価格に対処する行動を今週中にも取る可能性があると伝わり、警戒感から原油先物も伸び悩む場面があった。アジア市場の序盤で81.05ドルまで下げたが、まもなく82ドル台に上昇した。ロンドン市場で82.67ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤で81.32ドルまで下げる場面があったが、ドル高が一服していることや、米国株式の下げ渋りなどを意識して82ドル台を回復した。通常取引終了後の時間外取引では82ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:ドル高一服から買い優勢に

NY金先物市場は1813.80-1828.30ドルのレンジ相場となった。為替でドルが全般軟調に推移し、ドル建ての金に割安感が生じて買いが先行した。先週高値を超えたところでは上昇力が更に強まり、約2カ月ぶりの高値を更新した。アジア市場の終盤にかけて1813.80ドルまで下げたが、ドル高が一服していることから、ロンドン、ニューヨーク市場で金先物の買い戻しが観測された。ニューヨーク市場の後半に1828.30ドルまで買われており、通常取引終了後の時間外取引では1825ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:リスク選好の動きから売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.43%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.49%で終了した。1兆ドル規模の米インフラ投資法案の可決を好感して米国株相場が史上最高値を更新すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。 

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