FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米FOMCで早期の利上げ示唆せず安心感

NYダウは104.95ドル高の36157.58ドル、ナスダックは161.99ポイント高の15811.59ポイントで取引を終了した。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて警戒感から、寄り付き後は下落した。その後、10月ADP雇用統計が予想を上回る伸びとなったほか、10月ISM非製造業景況指数が過去最高を記録するなど良好な経済指標を受けて下げ止まった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)がFOMCで市場の予想通り政策金利を据え置き、資産購入の縮小開始計画を発表も早期の利上げを示唆しなかったため安心感が広がり買いが再燃した。引けにかけて上昇に転じ、主要株式指数は連日で史上最高値を更新して終了した。VIX指数は16.03から15.10へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMC後は114.00円を挟んで神経質な展開

ドル/円は、この日発表された10月ADP全米雇用報告や10月米ISM非製造業指数などが予想より強い結果となったことを受けて、NY勢の参入後は買いが先行した。もっとも、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策公表後は114.00円を挟んだ神経質な展開になった。米10年債利回りの上昇とともに一時114.22円まで上値を伸ばしたものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が伝わるとやや頭が重くなった。なお、FOMCは市場の予想通り政策金利を据え置き、テーパリング(資産購入の段階的縮小)の開始を決定した。現在は月額1200億ドル(米国債800億ドル、住宅ローン担保証券400億ドル)のペースで進めている資産購入について、11月から毎月150億ドルずつ(米国債100億ドル、住宅ローン担保証券50億ドル)減額する方針を示した。一方、声明文ではインフレ加速について、前回の『一時的(transitory)な要因』から『一時的と予想される要因』に若干表現を緩めながらも『一時的』との判断自体は維持した。また、パウエルFRB議長はその後の会見で『まだ利上げのタイミングではない』『FRBは利上げに関して忍耐強くいることができる』などと述べるなど、利上げについては慎重な姿勢を示した。

 

ユーロ/ドルは、良好な米経済指標などを背景に1.1562ドルまで下落する場面があったものの、その後は売りも一服した。FOMCの金融政策公表後は1.15ドル台後半で上下に振れる動きとなったが、FRB議長の発言を受けて次第に買いの勢いが強まり、1.1616ドルまで反発した。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:増産観測が広がり売り優勢に

NY原油先物市場は79.69ドル-83.08ドルのレンジ相場となった。原油相場は売りが先行し、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計を受けて下げが加速した。原油在庫は329万バレルの積み増しと予想より在庫が増加した。予想を上回る原油在庫を受けて、供給逼迫懸念が緩み、12月限は一時80.19ドルまで大幅安となった。アジア市場の序盤より、売りが優勢となり、ニューヨーク市場の中盤にかけて80ドル台前半まで下げ幅は拡大した。その後、81.50ドルまで戻したが、主要産油国による増産観測が広がったことから、通常取引終了後の時間外取引で79.69ドルまで一段安となった。

 

NY金先物市場は続落:量的緩和策の縮小を想定した売り優勢

NY金先物市場は1758.50-1789.30ドルのレンジ相場となった。この日発表された10月ADP全米雇用報告や10月米ISM非製造業指数が予想より強い結果となり、米景気への期待感で安全資産とされる金は売りに押された。売り一巡後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えて様子見ムードが広がった。米量的緩和策の縮小が正式に決定されることを想定してアジア市場の序盤から売りが優勢となり、ニューヨーク市場の中盤にかけて1758.50ドルまで下落した。連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で11月より量的緩和策を縮小することが予想通り決まったことを受けて、一時1777.00ドルまで戻した。ただ、長期金利の反発や株高を意識した売りも入っており、通常取引終了後の時間外取引では主に1770ドルをやや上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FOMCでテーパリング開始決定で売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%(価格は下落)0.47%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.60%で終了した。この日発表された米経済指標が強い結果となったことを受けて売りが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリング(資産購入の段階的縮小)の開始を決定すると売りが強まった。

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