FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:押し目買い意欲強く史上最高値更新

NYダウは89.08ドル高の35819.56ドル、ナスダックは50.27ポイント高の15498.39ポイントで取引は終了した。9月個人消費支出(PCE)デフレーターや7-9月期の雇用コスト指数の上昇で、インフレ懸念が重石となり寄り付き後は下落した。昨日引け後に発表された携帯端末アップル(AAPL)やオンライン小売のアマゾン(AMZN)の決算が予想に満たず失望感から両社株が売られ全体指数を一時押し下げた。しかし、押し目買い意欲も強く、引けにかけて回復した。下げを消し主要株式指数は史上最高値を更新し終了した。VIX指数は16.53から16.26へ低下した。

 

NY外国為替市場:月末ロンドンフィキシングに掛けてドル強含む

ユーロ/ドルは、10月米シカゴ購買部協会景気指数や10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を上回ったことを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行した。市場では『月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測された』との声も聞かれ、一時1.1535ドルと約2週間ぶりの安値を更新した。前日のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言後の上昇分をすべて吐き出した格好だ。 

 

ドル/円は、米10年債利回りが低下に転じたタイミングで一時113.72円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。対ユーロ中心にドル高が進んだ流れに沿ったほか、月末のロンドン・フィキシングではドル買いのフローも観測されて一時114.09円まで値を上げた。なお、9月米個人消費支出(PCE)で米連邦準備理事会(FRB)が重要視するPCEコアデフレーターは前年同月比3.6%上昇と予想の3.7%上昇を若干下回ったが、伸びは8月と同水準となり高止まりが続いた。また、7-9月期米雇用コスト指数は前期比1.3%上昇と予想の0.9%上昇を上回り、2001年以降で最大の上昇率となった。FRBは来週11月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小(テーパリング)の開始を正式に決めるとみられている。市場関係者からは『注目はインフレの現状判断。高止まり長期化を認めて警戒を強めていることを示す一方、一過性の文言は残し、長期のインフレ期待の低位安定を新たに指摘して、インフレ鈍化がなおメインシナリオであることを確認する内容になるだろう』との声が聞かれた。 

 

NY原油先物市場は小幅に続伸:需給ひっ迫懸念解消されず

NY原油先物市場は84.41ドル-83.74ドルのレンジ相場となった。イランの原油供給再開の思惑もあって、強い動きではなかった。しかし、週前半に約7年ぶりの85ドル台へ達し伸び悩んだ後、昨日の81ドル割れまで急速に調整を進めた動きは一服した。反動もあって、本日は83.74ドルまで戻す場面も見られた。アジア市場で83.29ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて81.41ドルまで反落した。石油輸入国などが主要産油国に対して増産を要請しているとの見方が広がり、原油先物は一時下落したが、需給ひっ迫の懸念は解消されず、通常取引終了後の時間外取引で83.74ドルまで戻している。 米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基増加の444基になった。

 

NY金先物市場は3日ぶりに大幅反落:ドル高を意識した売り優勢

NY金先物市場は1772.40-1802.90ドルのレンジ相場となった。ユーロなど他通貨に対するドル高が幅広く進み、ドル建て金価格の割高感につながった。国際的に決済に使われるドルの代替資産との見方もある金の相対的な価値低下も意識された。金の取引時間中に米主要株価指数が軒並み続伸していたことも、安全資産とされる金の価格を押し下げる要因となった。アジア市場の取引開始後に1802.90ドルまで買われたが、ユーロ高ドル安が一服したことや米長期金利の反転を受けて、ニューヨーク市場の序盤にかけて1772.40ドルまで売られた。ニューヨーク市場で米長期金利は伸び悩んだことから、通常取引終了後の時間外取引で金先物は1785.10ドルまで戻したが、米国株高を嫌って上値は重いままだった。 

 

米国債券市場はまちまち:長期ゾーンにポジション調整の買い

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.49%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.55%で終了した。月末を迎えて、機関投資家が保有する債券の平均残存年限を長期化するための買いが入った。また来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ポジション調整目的の買いも入った。

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