FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:良好な企業決算を材料とした買い継続

NYダウは239.89ドル高の35730.48ドル、ナスダックは212.28ポイント高の15448.12ポイントで取引を終了した。主要ハイテク企業を中心に良好な企業決算を材料に寄り付き後は上昇した。バイデン政権が1.75兆ドル規模の経済対策枠組みを発表したが、増税規模が想定内に留まり、買いが継続した。特に、長期金利の上昇が一段落したためハイテク株に引き続き買いが向かいナスダック総合指数は史上最高値を更新し終了した。VIX指数は16.98から16.53へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高からリスク選好のドル売りやや優勢

ユーロ/ドルは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は定例理事会後の記者会見で『経済リスクは概ね均衡』『インフレ圧力は2022年中に後退するはず』『PEPPは2022年3月で終了する予定』『PEPPの3月終了を信じる十分な根拠がある』などと述べた一方、『インフレ高進の時期が予想より長く続く』として供給不足やエネルギー価格の上昇が長引いて景気減速や一段の物価上昇が進むリスクへの警戒を示唆した。市場では『想定よりもタカ派的な内容だった』と受け止められ、全般ユーロ買いが広がった。米国株相場の上昇に伴うリスク選好のドル売りも優勢となり、一時1.1692ドルと9月28日以来1カ月ぶりの高値を付けた。

 

ドル/円は、ユーロドルの上昇をきっかけに円買い・ドル売りが先行した。米国株高に伴うリスク選好のドル売りも出て、前日の安値113.39円を下抜けると一時113.26円と14日以来約2週間ぶりの安値を付けた。市場では『7-9月期米国内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測がやや後退し、ドルの重石となった』との声も聞かれた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。ユーロ/円などクロス円の上昇につれた円売り・ドル買いが出たほか、米長期金利の上昇に伴う買いが入り113.60円付近まで下げ幅を縮めた。なお、米10年債利回りは米7年債入札後に一時1.5817%前後まで上昇した。 

 

NY原油先物市場は小幅に反発:米国株高とドル安が下支え

NY原油先物市場は80.58ドル-83.21ドルのレンジ相場となった。昨日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫が積み増しへ転じたことによる売りの流れは勢いを緩めた。しかし、イランと欧州連合(EU)の核合意再建へ向けた動きが、イラン原油の供給再開への期待を高め、原油相場の戻りを重くした。ただ、ドル相場の軟化は、ドル建て原油相場の下支え要因となり、売り圧力を緩和した。終盤に前日比プラス圏を回復して取引を終えた。アジア市場で80.58ドルまで下げたが、まもなく反転し、ロンドン市場の序盤にかけて82.43ドルまで戻した。その後、80.79ドルまで下げたが、米国株高を意識して再度反発し、通常取引終了後の時間外取引で83.21ドルまで買われている。

 

NY金先物市場は続伸:1,800ドルを挟んでもみ合い相場

NY金先物市場は1793.10-1812.70ドルのレンジ相場となった。米金利の低下が先行した。欧州中央銀行(ECB)理事会の内容が事前の見通しほどハト派ではなかったとの見方でユーロが上昇したこともドル相場を圧迫した。ドル建て金相場の押し上げに寄与した。取引時間中の米金利が総じて低位で推移していたことも、金利を生まない資産である金の相対的な価値押し上げ要因になった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1812.70ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで1793.10ドルまで反落した。その後は、1800ドルを挟んだ水準でのもみ合いが続いた。通常取引終了後の時間外取引で1804.00ドルまで買われたが、株高を受けて1800ドルを再び下回った。

 

米国債券市場はまちまち:欧州債相場の下落に連れて売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.48%で終了した。また、長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は上昇)1.58%で終了した。欧州中央銀行(ECB)の早期金融引き締め観測を背景に欧州債相場が下落した。米国債にも売りが波及した。米国株相場の上昇で相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た面もあった。 

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