FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:利益確定売りに終日軟調推移

NYダウは266.19ドル安の35490.69ドル、ナスダックは0.13ポイント高の15235.84ポイントで取引が終了した。NYダウは連日で史上最高値を更新していただけに、利益確定の売りに、寄り付き後は下落した。四半期決算で業績予想が嫌気されたクレジットカードのビザが7%近く急落し、1銘柄でダウ平均を98ドル程度押し下げた。米長期金利の大幅低下で、利ざや悪化の懸念からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も売られた。戻り乏しく終日軟調推移となり、引けにかけて下げ幅を拡大した。VIX指数は15.98から16.98へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下がドルの重石に

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.51%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行した。欧米株価の下落に伴う売りも出て、一時113.35円と約2週間ぶりの安値を付けた。日経平均先物が軟調に推移したことも相場の重石となった。ただ、売り一巡後は113.87円付近まで下げ渋った。米国株安や商品価格の下落を背景に、対資源国通貨中心にリスク回避のドル買いが入った影響を受けた。

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1626ドルと日通し高値を付けたものの、前日高値との面合わせに終わると次第に弱含む展開になった。欧米株価の下落に伴うリスク回避のドル買いが入り、1.1588ドル付近まで下押しした。その後の戻りも1.1616ドル付近にとどまった。明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に大きな方向感が出にくい面があった。なお、市場では『ECBは政策金利を現行水準に維持し、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を巡る決定を次回12月に先送りすると見られる』との声が聞かれた。

 

カナダドルは上昇した。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を0.25%のまま据え置くことを決めたと発表した。市場の予想通りとなった。ただ、声明で量的緩和(QE)の終了を表明し、利上げ開始時期を前回の2022年後半から22年半ば(第2四半期または第3四半期)に前倒しするとカナダドル買いが優勢になった。対米ドルでは一時1.2301カナダドル、対ユーロでは1.4294カナダドル、対円では92.48円まで大きく値を上げた。ただ、引けにかけては伸び悩んだ。WTI原油先物価格が大幅に下落したため、産油国通貨とされるカナダドルに売りが出た。

 

NY原油先物市場は反落:需要増加の思惑の後退で売り優勢

NY原油先物市場は82.02ドル-84.51ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(2021/10/22時点)の発表後、NY原油先物は84ドル台へ一時小戻しとなる場面もあった。しかし、原油在庫積み増しの影響が徐々に効いてきたようで、下落幅を広げる動きとなった。アジア市場で84.51ドルまで買われたが、戻り売りが強まり、上値は重くなった。米国株安を意識した売りも観測されており、ニューヨーク市場で84.26ドルまで戻す場面もあったが、需要増加の思惑は後退し、通常取引終了後の時間外取引で82.01ドルまで下落している。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利の低下を好感した買い

NY金先物市場は1784.30-1801.00ドルのレンジ相場となった。米国株の反落を受け、リスク逃避先資産とされる金を買う動きとなった。米金利の低下によるドル相場の切り下がりも、ドル建て金価格の押し上げにつながった。金利低下は、金利を生まない資産である金の相対的な価値押し上げ要因にもなった。ロンドン市場の序盤にかけて1784.30ドルまで売られたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて下げ幅は縮小。通常取引終了後の時間外取引で1801.00ドルまで戻した。

 

米国債券市場はまちまち:欧州債券買いに連れて長期ゾーンは買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)0.49%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.54%で終了した。欧州債相場の上昇につれたほか、米国株相場の下落に伴う買いが入った。好調な5年債入札も債券買いを誘った面がある。

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