FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:決算の良好な企業が下支え

NYダウは6.26ドル安の35603.08ドル、ナスダックは94.02ポイント高の15215.70ポイントで取引を終了した。史上最高値付近から利益確定売りに押され、寄り付き後は下落した。中国の不動産会社の破たん懸念や高インフレの長期化への脅威も良好な企業決算が相殺し、引けにかけてNYダウは下げ幅を縮小した。ハイテク株は買いが続きナスダック総合指数は上昇した。VIX指数は15.49から15.01へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利に振れる展開が継続

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが低下に転じたタイミングで円買い・ドル売りが先行した。NYダウや日経平均先物の下落に伴う円買いも入り、一時113.62円と日通し安値を更新した。ただ、米10年債利回りが1.7029%前後と約5カ月ぶりの高水準を付けると、ドル買いの様相が強まり114.05円付近まで下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、NY時間に入り、しばらくは1.16ドル台半ばでのもみ合いが続いていたが、米長期金利が上昇傾向を強めると全般ドル買いが活発化し、一時1.1620ドルと日通し安値を更新した。

 

トルコリラは急落した。NY市場に入っても、トルコ中銀による大幅利下げをきっかけとしたリラ売りの流れが続いた。トルコ中銀はこの日、政策金利を現行の18.00%から16.00%へ引き下げると発表した。市場では17.50%、もしくは17.00%への利下げが予想されていただけに、リラを売る動きが活発化した。対ドルで一時9.5333リラ、対円で11.94円といずれも史上最安値を更新した。市場では『トルコの実質利回りは大幅なマイナスとなっていることから、今回の利下げは無謀。リラ安によって実体経済が深刻な打撃を受けるリスクがある』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反落:リスク選好地合いの後退と利食い売り優勢

NY原油先物市場は80.79ドル-83.96ドルのレンジ相場となった。昨日の取引時間中に史上最高値を更新したNYダウだが、本日は売りが先行した。リスク選好地合いの後退とともに原油もロングを手仕舞う動きが強まり、83ドル台から一時80ドル後半まで大きく下値を広げた。ただ、需給ひっ迫への懸念が根強く残るなかで下げたところでは買いたい向きも多く、下落一巡後は急速に下げ幅を縮めた。アジア市場で83.96ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで反落し、ニューヨーク市場の中盤にかけて80.79ドルまで売られた。ただ、81ドル以下では押し目買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引で82.72ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:米長期金利が反転したことで売り優勢

NY金先物市場は1776.80-1790.30ドルのレンジ相場となった。中国・恒大集団のデフォルト懸念から時間外では買いが先行した。もっとも米国の中・長期金利が上昇傾向を維持するなか金利が付かない金への売り圧力が徐々に強まり、NY勢の本格参入後は上値の重い展開が続いた。アジア市場で1790.30ドルまで買われたが、その後は伸び悩み、ニューヨーク市場の序盤にかけて1776.80ドルまで下げる展開となった。1780ドル以下では押し目買いの興味が確認されており、下げ渋ったが、米長期金利の反転を意識して、通常取引終了後の時間外取引では主に1785ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:好調な米経済指標を受け売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)0.45%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.70%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数や9月米中古住宅販売件数など予想より強い内容となった米経済指標が材料視されて、債券売りが出た。米株式市場で、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が史上最高値を更新したことも債券売りを促し、利回りは一時1.7029%前後と約5カ月ぶりの高水準を付けた。 

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