FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:インフレ懸念や米長期金利の上昇を嫌気

NYダウは36.15ドル安の35258.61ドル、ナスダックは124.47ポイント高の15021.81ポイントで終了した。中国の経済成長の鈍化や鉱工業生産が予想を下回ったため、寄り付き後は大きく下落し一時250ドル超下落した。NY原油が7年ぶり高値を更新し、根強いインフレや米長期金利の上昇も警戒され、NYダウは終日軟調に推移した。ハイテク株は強く、ナスダック総合値数は上昇した。VIX指数は16.30から16.31へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利の動向に振れる展開

ドル/円は、アジア時間と欧州時間に114.44円まで買われ上値を試したものの、前週末に付けた約3年ぶりの高値114.46円を上抜けることは出来なかった。2018年10月4日の高値114.55円や17年1月6日の高値114.73円が重要なレジスタンスとして意識されたこともあり、一時114.11円付近まで押し戻された。米10年債利回りが1.57%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重石になった。ただ、市場では『いったん短期筋による売りが出たが、米金融政策正常化と金利の先高観が意識されており、円安・ドル高の流れは続いている』との指摘があり、下値は限定的だった。

 

 ユーロ/ドルは、ユーロ豪ドルやユーロポンドなどユーロクロスの上昇をきっかけに買いが先行した。米長期金利が上昇幅を縮めたこともユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.1619ドルを上抜けて一時1.1622ドルまで上値を伸ばした。なお、9月米鉱工業生産指数は予想を下回った一方、10月NAHB住宅市場指数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。 

 

トルコリラは下げ止まらず。対ドルでは一時9.3457リラと史上最安値を更新したほか、対円でも年初来安値となる12.22円まで値を下げた。トルコのエルドアン大統領は前週、トルコ中銀金融政策委員会(MPC)の3委員(2名の副総裁と1名の政策委員)を解任。トルコ中銀の独立性が失われる中、投資家のリラ離れが止まらない状況となっている。なお、21日のトルコ中銀MPCでは、前回と同じ利下げ幅(100ベーシスポイント)を予想する向きが増えている。

 

NY原油先物市場は3日続伸:エネルギー需給ひっ迫への懸念

NY原油先物市場は81.21ドル-83.18ドルのレンジ相場となった。一部の石油輸出国機構(OPEC)プラス参加国が増産に苦戦していることが報じられると、エネルギー需給ひっ迫への懸念が更に高まった。買い基調を強めた原油先物は、NY早朝に83ドル後半まで上昇して7年ぶりの高値を再び更新した。もっとも、高値警戒感から一巡後は利益確定売りが優勢になった。そして、引け前には82ドル割れまで上値を切り下げる場面もあった。ロンドン市場の中盤にかけて83.18ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では利食い目的の売りが増えたことで伸び悩んだ。通常取引終了後の時間外取引で81.21ドルまで下げる場面があったが、その後81.76ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は小幅続落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1760.30-1772.50ドルのレンジ相場となった。米金利の上昇や為替のドル高を受け、金先物は時間外から売り優勢になった。NY序盤に発表された9月米鉱工業生産指数(前月比)がマイナス振れとなり、安全資産とされる金に買い戻しは入ったものの戻り幅は限定された。アジア市場で1772.50ドルまで買われた後、ロンドン市場で1760.30ドルまで反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけてドル高一服を期待して1771.70ドルまで戻したが、上値の重さは払しょくされず、通常取引終了後の時間外取引では1765ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は続落:原油高によるインフレ懸念による売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.42%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い1.60%で終了した。英中銀(BOE)が近く利上げに踏み切るとの観測が高まる中、英国債相場が下落。米国債にも売りが波及した。WTI原油先物価格が約7年ぶりの高値で推移していることも、インフレ懸念による債券売りを誘った。 

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