FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:景気期待が高まり買い優勢

NYダウは382.20ドル高の35294.76、ナスダックは73.91ポイント高の14897.34ポイントで取引を終了した。サプライチェーンの混乱による悪影響が懸念されていた9月小売売上高が、予想外に2カ月連続の増加となったため景気回復期待が強まり寄り付き後は上昇した。強い企業決算がインフレ懸念を相殺し、引けにかけて上げ幅を拡大した好調な四半期決算を発表した。ゴールドマン・サックスが4%近く上昇し、1銘柄でダウ平均を100ドル程度押し上げた。VIX指数は16.86から16.30へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシング後はドル買戻し

ドル/円は、アジアや欧州市場で強まった円安の流れがNY市場に入っても継続した。9月米小売売上高が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが活発化し、一時114.46円と2018年10月4日以来約3年ぶりの高値を付けた。ただ、同日の高値114.55円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。市場では『17年1月6日の高値114.73円もかなり重要なレジスタンスレベル』との声が聞かれた。10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を下回ったことも相場の重石となり、一時113.98円付近まで下押しした。もっとも、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過したあとは買い戻しが優勢となり、114.33円付近まで持ち直している。そのあとは114.20円台での取引が続いた。

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.1619ドルと日通し高値を付ける場面もあったが、前日の高値1.1624ドルが目先レジスタンスとして意識されると次第に弱含んだ。ポンドや資源国通貨に対してユーロ安が進んだ影響を受けたほか、良好な米小売指標が相場の重しとなり一時1.1589ドル付近まで下押しした。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅に上昇した。対ドルでは一時6万2875ドル台と4月16日以来約半年ぶりの高値を付けたほか、対円では714万円台と過去最高値を更新した。市場では『米証券取引委員会(SEC)がビットコインで運用する初の上場投資信託(ETF)を許可する』との観測が強まっている。

 

NY原油先物市場は続伸:需給ひっ迫懸念を背景に買い優勢

NY原油先物市場は81.39ドル-82.49ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の有力産油国で構成する『OPECプラス』が大幅の増産を見送っている中、国際エネルギー機関(IEA)は2021年22年の石油需要見通しを上方修正し、世界的なエネルギー需給ひっ迫懸念を背景とした原油の買い基調が継続した。米国株が大幅高になるなど投資家のリスク選好志向も、リスク資産とされる原油の買いを後押しした。ニューヨーク市場の序盤にかけて81.63ドルまで一時反落したが、株高が好感されたことや、需給ひっ迫の状態は改善されていないことから、押し目買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では、主に82ドル台前半で推移した。米国の石油掘削装置稼働数(リグ)は前週末比12基増加の445基となった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:米長期金利高や米国株高を嫌気

NY金先物市場は1765.10-1797.70ドルのレンジ相場となった。米長期金利が再び上昇基調を強め、金利を生まない金に売りが入った。また、米国株の大幅高も、安全資産とされる金の売りを後押しした。アジア市場における取引開始後に1797.90ドルまで買われたが、米国株高を意識した売りが入ったことで伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤にかけて1765.10ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1770ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:良好な9月米小売売上高を受け売り優勢

米国債券市場では、中長期ゾーンはともに下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.39%で終了した。また、米10年物国債利回りは4日ぶりに反落し前営業日比0.06%高い1.57%で終了した。9月米小売売上高が予想より強い内容だったことから、相対的に安全資産とされる米国債に売り(利回りは上昇)が出た。米国株相場の上昇も相場の重石となった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ