FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米国のデフォルト懸念の後退で買い戻し

NYダウは102.32ドル高の34416.99ドル、ナスダックは68.08ポイント高の14501.91ポイントで終了した。日本や香港、欧州市場の株安が波及したほか、インフレ懸念や債務不履行への警戒感に寄り付き後は、下落し一時450ドル超下げた。金融アナリストによる企業の見通し引き下げが相次いだことも失望感に繋がり、下げ幅を拡大した。膠着状態だった債務上限協議において、共和党が妥協案を提示したとの報道で警戒感が後退し、引けにかけて、上昇に転じた。VIX指数は21.3から21.0へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国のデフォルト懸念後退でややドル買い戻し

ドル/円は、インフレ懸念や米債務上限問題などを巡る不透明感が重しとなり、欧州株相場が軟調に推移したほか、現物のNYダウが一時450ドル超下落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。9月ADP全米雇用報告は予想を上回ったものの、ドル買いでの反応は鈍く、一時111.17円と日通し安値を更新した。ただ、『マコネル米上院院内総務(共和党)は債務不履行(デフォルト)を回避するため12月までの債務上限の停止を提案した』との報道が伝わると、米国のデフォルト懸念が後退し米株式主要3指数が全てプラス圏に浮上した。投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いがじわりと強まり111.50円付近まで持ち直した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場ではリスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.1529ドルと昨年7月22日以来の安値を付けたものの、NY市場ではじりじりと下値を切り上げた。大幅安で始まった米国株が持ち直したことで、リスク回避のドル買いが後退し、1.1560ドル付近まで下げ幅を縮めた。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはしっかりだった。対ドルでは一時5万5422ドル台と5月12日以来約5カ月ぶりの高値を付けたほか、対円でも615万円台と5月上旬以来の高値を更新した。高インフレと低成長で足もと株式など従来型資産のパフォーマンスがさえず、仮想通貨への資金流入が目立つ展開となった。市場関係者からは『ビットコイン以外の仮想通貨も上昇する中、4月中旬に付けた過去最高値6万4869ドルが視野に入る』との声が聞かれた。著名投資家のジョージ・ソロス氏が率いるソロス・ファンド・マネジメントがビットコインを保有しているとのニュースも話題だった。

 

NY原油先物市場は5日ぶりに反落:米国は戦略的石油備蓄の放出を検討

NY原油先物市場は76.83ドル-79.78ドルのレンジ相場となった。一昨日の石油輸出国機構と非加盟国(OPECプラス)による増産維持発表後は大幅に上昇し、約7年ぶりの水準まで上昇したこともあり、原油先物価格は利益確定の売りで上値が重く始まった。また、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油が積み増しとなったほか、英ファイナンシャルタイムス(FT)紙が『米国はエネルギー価格の高騰を抑えるため戦略的石油備蓄(SPR)を放出することを検討』という報道も流れたことで、下げ幅を拡大した。 通常取引終了後の時間外取引で76.83ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は小反発:米長期金利が低下したことをやや好感

NY金先物市場は1745.40-1765.90ドルのレンジ相場となった。米金利が上昇する中、ユーロを中心にドルが買われていたことで、ドルで取引される金先物は割高感から弱含んでいた。しかしながら、米金利が低下し、ドル高が一服したことで徐々に金先物も買い戻され、前日比では僅かに反発して引けた。 アジア市場の終盤にかけて1745.40ドルまで下げたが、54に1771.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場で反転し、1760ドル台を回復した。通常取引終了後の時間外取引で1765.90ドルまで買われている。

 

米国債券市場はまちまち:原油先物相場が一転下落で買い戻しも

米国債券市場では、中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.29%で終了した。また、長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.52%で終了した。原油高などを受けたインフレ懸念の高まりで時間外取引では売りが優勢となったが、原油先物相場が一転下落すると買い戻しが入り持ち直した。市場では『8日の9月米雇用統計を前に持ち高調整の買いが入った』との指摘があった。

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