FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:急落の反動で短期的な戻りを期待した買い

NYダウは90.73ドル高の34390.72ドル、ナスダックは34.24ポイント安の14512.44ポイントで取引を終了した。金利上昇が一段落したため、寄り付き後は上昇した。前日に急落した反動で短期的な戻りを期待した買いが先行すると、一時280ドル超上げた。また、8月中古住宅販売成約指数が予想以上に伸びたため、回復期待にNYダウは堅調に推移した。ただ、債務上限問題への懸念がくすぶり、引けにかけて上げ幅を縮小した。金利先高感が根強く、ハイテク株の売りが続き、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は23.25から22.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米早期金融引き締め観測を背景にドル全面高

ドル/円は、米長期金利は低下したものの、月末・期末に向けてのドル需要が高まる中で、一時112.04円と昨年2月21日以来約1年7カ月ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が意識される中、ドル先高観は根強く、ドルが買われやすい面もあった。買い一巡後も112.00円近辺での値動きが続き、底堅く推移した。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は欧州中央銀行(ECB)フォーラムのパネルディスカッションで『テーパリング開始の条件である一段と顕著な進展の実現に近づいている』と述べた一方、『FRBの利上げまでには非常に遠い』『FRBは慎重に正常化過程に取り組んでいる』などと発言した。 

 

ユーロ/ドルは、FRBの早期金融引き締め観測などを背景にドル全面高となった流れに沿って、一時1.1589ドルと昨年7月24日以来約1年2カ月ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時94.43と昨年9月28日以来およそ1年ぶりの高値を付けた。ラガルドECB総裁はECBフォーラムで『インフレ率上昇が経済全体に広がっている兆候はない』『一時的な供給ショックに対し過剰な反応を決してしないようにするべき』と述べたほか、ユーロ圏経済見通しについては『供給のボトルネックやエネルギー価格高騰、新型コロナ再拡大といった不確定要因をはらんでいる』との見解を示した。 

 

NY原油先物市場は続落:天然ガス安に連れた売り優勢

NY原油先物市場は73.74ドル-75.79ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で原油は8週ぶりの積み増しとなったが、下押し幅は限定されて一巡後は75ドル後半まで反発した。供給拡大が求められながらも、石油輸出国機構(OPEC)プラスは来週の会合で減産の縮小幅を維持する可能性が高いことが報じられ、相場の支えとなった。もっとも週前半に大きく買われた天然ガスが本日は大幅安となり、NY午後に入ると原油もつられる形で上値を切り下げた。アジア市場で73.74ドルまで下落した後、ニューヨーク市場の中盤にかけて75.79ドルまで戻す場面があったが、主要通貨に対するドル高や原油需要増大の思惑はやや後退していることから戻り売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引で74ドル台半ばまで反落する場面があった。 

 

NY金先物市場は続落:米長期金利が再上昇したことを嫌気した売り

NY金先物市場は1721.10-1746.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが全面高となり、割高感がでたドル建て金に対する売り圧力が強まった。また、NY午後に入り米長期金利が再び上昇したことも金利が生じない金の上値を抑えた。ロンドン市場で1746.00ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の終盤にかけて1721.10ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1725ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:米債務上限問題を巡る協議の難航から買い優勢

米国債券市場は中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.29%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.51%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入った。米連邦債務の上限問題を巡る与野党協議が難航していることも相場を下支えした。 

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