FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:経済活動再開への期待強まり買い優勢

NYダウは71.37ドル高の34869.37ドル、ナスダックは77.73ポイント安の14969.97ポイントで取引を終了した。世界のパンデミックの状況改善で、経済活動再開への期待が強まり、寄り付き後は上昇した。8月耐久財受注速報値が予想を上回ったほか、金利の上昇や原油高を受け、景気循環株の買いが目立ち、NYダウは終日堅調に推移した。一方、金利の上昇でハイテク株は売られ、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は17.75から18.76へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利で全般ドル買い優勢

ドル/円は、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が示され、米長期金利の上昇に圧力がかかる中、この日もドル買いが継続し、一時111.06円と7月5日以来の高値を付けた。その後の下押しも110.78円付近にとどまった。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時1.5131%前後と6月28日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は『テーパリングは近く正当化されるだろう』と述べた一方、『利上げの基準はまだ満たしていない』と発言し、早期の利上げについては慎重な姿勢を示した。また、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事は『テーパリングのアナウンスを利上げのシグナルと捉えるべきではない』などと述べた。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1.1700ドルを挟んだ狭いレンジ取引に終始した。NY時間の安値は1.1689ドル、高値は1.1711ドルで値幅は0.0022ドル程度だった。なお、FOMCメンバー内でタカ派として知られるローゼングレン米ボストン連銀総裁は今月末に、カプラン米ダラス連銀総裁は10月8日に退任すると伝わった。両総裁については、FRBがコロナ禍対応で異例の金融緩和や資金供給策に踏み切った昨年にアクティブ運用の株式取引などをしていたことが報じられ、倫理的な懸念が浮上していた。

 

NY原油先物市場は5日続伸:供給逼迫への懸念継続で買い優勢

NY原油先物市場は74.16ドル‐75.75ドルのレンジ相場となった。米国内では、ハリケーン『アイダ』の被害を受けたメキシコ湾岸で石油関連施設の完全復旧が遅れ、供給逼迫への懸念は高まったままである。加えて石油輸出国機構(OPEC)プラス内からは、コロナ禍で設備投資やメンテナンス作業が滞り、生産量が目標に達しない可能性が伝わった。一方、新型コロナに絡んだ行動規制が世界的に緩和されつつあり、エネルギー需要は拡大傾向である。買い材料が目立つなか、原油先物は75ドル台に乗せて更に上値を伸ばした。アジア市場の序盤に74.16ドルまで下げたが、将来的な需要増加の思惑は残されており、まもなく反転し、75ドル台に上昇した。その後は、やや上げ渋ったが、通常取引終了後の時間外取引で75.75ドルまで一段高となる場面があった。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米長期金利の上昇を意識した売り

NY金先物市場は1744.70-1760.90ドルのレンジ相場となった。NY前半は、米長期金利の上昇に伴い金利が生じない金を売る動きが見られた。ただし、先週下げ渋った1740ドル台では押し目買い意欲も強く、売り一巡後は1750ドル台まで下値を切り上げた。アジア市場で1760.90ドルまで買われたが、ロンドン市場の中盤にかけて1744.70ドルまで反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1758.30ドルまで戻したが、米長期金利の上昇を意識して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に1750ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:ストップロスを巻き込み売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.27%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.48%で終了した。8月米耐久財受注額が予想を上回ったことで債券売りが先行した。利回りは一時1.5131%前後と6月28日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。市場では『利回りが1.50%の節目に達したことでストップロスの売りが出た』との声が聞かれた。

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