FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米金利上昇や中国恒大の利払い警戒感から上値重い

NYダウは33.18ドル高の34798.00ドル、ナスダックは4.54ポイント安の15047.70ポイントで取引を終了した。金利の上昇や中国恒大のドル建て社債利払いの行方に警戒感がくすぶり、寄り付き後は下落した。しかし、恒大危機の世界金融市場への大きな波及は避けられるとの見方が根強く、下値も限定的となった。8月新築住宅販売件数が予想を上回ったため投資家の回復期待も強まり、押し目からは景気循環株の買いも目立ち、NYダウは上昇に転じた。ハイテク株は売られナスダック総合指数は下落した。VIX指数は18.63から17.75へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が示され、米長期金利の上昇に圧力がかかる中、全般ドルが買われやすい地合いとなった。市場では『一目均衡表雲の上限110.19円を明確に上抜けたことで、テクニカル的にも買いが入りやすい』との声が聞かれた。一時110.79円まで買われ、レジスタンスとして意識されている8月11日の高値110.80円に迫った。8月米新築住宅販売件数が74.0万件と予想の71.5万件を上回ったことも相場の支援材料になった。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時1.4647%前後と7月2日以来の高水準を付けた。なお、メスター米クリーブランド連銀総裁は『労働市場が予想通りに改善すれば、FRBは11月にテーパリングを開始し、来年末までに利上げを行う可能性がある』と述べたほか、ジョージ米カンザスティ連銀総裁は『テーパリング開始への労働市場の基準はすでに満たしている』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州株相場や時間外のダウ先物の下落を背景にリスク・オフのドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て一時1.1701ドルと日通し安値を更新した。ただ、26日投票の独連邦議会選挙(総選挙)の結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードも広がったため、NY中盤以降は値動きが鈍った。 

 

NY原油先物市場は続伸:原油供給逼迫懸念から買い優勢

NY原油先物市場は72.81ドル-74.27ドルのレンジ相場となった。新規の手がかりが乏しい中、今週に米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で原油在庫が7週連続の取り崩しとなるなど、供給逼迫懸念で買いが継続。また、ハリケーン『アイダ』の被害を受けている米メキシコ湾岸で石油関連施設の完全復旧が遅れるとの見方も買いを後押ししている。ニューヨーク市場の序盤にかけて72.81ドルまで下げたが、将来的な需要増加の思惑は残されており、7月14日以来となる74.27ドルまで一段高となった。その後はドル高を意識して上げ渋ったが、通常取引終了後の時間外取引では主に73ドル台後半で推移した。米国の石油掘削装置稼働数(リグ)は前週末比10基増加の421基となった。

 

NY金先物市場は小反発:中国恒大集団のデフォルト懸念根強く買い

NY金先物市場は1740.20-1758.00ドルのレンジ相場となった。中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念が根強く、安全資産とされる金に買いが入った。ただ、米長期金利が上昇し、金利が生じない金を売る動きも見られ、上値は限られた。 ニューヨーク市場の序盤にかけて1758.00ドルまで戻したが、米長期金利の小幅上昇やドル高を意識して1740.20ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に1740ドル台で推移した。

 

米国債券市場は下落:早期の緩和縮小観測が強まり売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.27%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い1.45%で終了した。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に広がった早期の緩和縮小観測が一段と強まり、債券売りを誘った。メスター米クリーブランド連銀総裁やジョージ米カンザスティ連銀総裁のタカ派的な発言も債券売りにつながり、利回りは一時1.4647%前後と7月2日以来の高水準を付けた。 

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