FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米FOMを無難に通過で買い優勢

NYダウは506.50ドル高の34764.82ドル、ナスダックは155.40ポイント高の15052.25ポイント取引を終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したことで、米金融政策を巡る不透明感が後退すると、買いが優勢となった。市場では『様子見姿勢を強めていた投資家の買いが幅広い銘柄に入った』との声が聞かれ、一時620ドル超上げた。『中国当局が中国恒大集団の実質国有化を検討中』との報道で、この日の中国株が堅調に推移したことも投資家心理の改善につながった。VIX指数は20.87から18.63へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高・米長期金利上昇でリスク選好のドル買い優勢

ドル/円は、資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団の債務問題への警戒感がひとまず和らいだほか、米FOMCを無難に通過したことで、NYダウが一時620ドル超上昇した。リスク選好の円売りが優勢となり、一時110.35円と8日以来約2週間ぶりの高値を付けた。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.43%台まで急上昇したことも相場の支援材料になった。ただ、欧州の取引時間帯には『中国当局は中国恒大集団の破綻に備えるよう地方政府に指示した』との一部報道を受けて、一時109.74円と日本時間早朝に付けた日通し安値に面合わせする場面があった。

 

ユーロ/ドルは、米国株相場の上昇を背景にリスク・オンのドル売りが強まると、一時1.1750ドルと日通し高値を更新した。ただ、前日の高値1.1755ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利が大幅に上昇したことも相場の重石になった。 

 

ポンドは全面高になった。英中銀金融政策委員会(MPC)はこの日、市場の予想通り政策金利と資産購入額の据え置きを決定した。ただ、資産購入額据え置きにはソーンダース委員が前回会合に続いて反対し、今回はラムスデン委員も反対した。資産購入額の縮小を主張するメンバーが2人に増えたことを受けてポンドを買う動きが広がった。ポンドドルは一時本日高値となる1.3751ドル、ポンド円は151.49円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8537ポンドまでユーロ安・ポンド高に振れた。市場では『英中銀が利上げ時期を早める』との観測が広がったほか、『早ければ11月にも利上げがあり得る』との予想も浮上した。

 

NY原油先物市場は続伸:原油在庫の取り崩しが引き続き買い材料

NY原油先物市場は71.61ドル-73.50ドルのレンジ相場となった。昨日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で原油在庫が7週連続の取り崩しとなったことが引き続き材料視された。また、米国株が大幅高になるなどリスク選好ムードの高まりでリスク資産の原油に買いが入った。為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことも、ドル建ての原油に割安感が生じたことも買いを後押しした。ニューヨーク市場の序盤にかけて71.61ドルまで下げたが、米国株高を意識した買いが入った。将来的な需要増加も想定されており、通常取引終了後の時間外取引では主に73ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は反落:米国株高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1737.50-1777.10ドルのレンジ相場となった。中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念が後退したことや米国株が急騰したことで、安全資産とされる金に売りが入った。また、米長期金利が大幅に上昇し、金利を生まない金の売りに拍車をかけた。通常取引終了後の時間外取引で1737.50ドルまで下げる場面があった。

 

米国債券市場は下落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.26%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.13%高い1.43%で終了した。資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団の債務問題への警戒感がひとまず和らいだことや、米国株相場の大幅上昇で相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。利回りは一時1.4353%前後と7月6日以来の高水準を付けた。 

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