FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:中国恒大集団の信用不安後退で買い優勢

NYダウは338.48ドル高の34258.32ドル、ナスダックは150.45ポイント高の14896.85ポイントで取引を終了した。中国恒大集団が23日期限の人民元建て社債の利払いを実施する方針を示したため、中国信用不安の後退に寄り付き後は上昇した。一時520ドル超上昇した。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が市場の予想通り連邦公開市場委員会(FOMC)で『テーパリング(量的緩和の縮小)は近く正当化される』との見解が示され、利上げ予想時期が2022年に前倒しされると伸び悩んだ。パウエル米FRB議長が『テーパリングは22年の年央までに完了する可能性がある』と発言したことも相場の重石となった。VIX指数は24.36から20.87へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長の会見後にドル買い優勢

ドル/円は、米FOMC結果公表を控えて、しばらくは109円台半ばでのもみ合いが続いていたが、FOMCやパウエル米FRB議長の会見後は全般ドル買いが優勢となった。前日の高値109.71円を上抜けて一時109.90円まで上値を伸ばした。米FRBは今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利の据え置きを決定。声明では『予想通りに進展が続いた場合、委員会は資産買い入れペースの減速(テーパリング)が近く正当化される可能性があると判断』と指摘した。また、委員らが示した政策金利予想(ドット・チャート)では、2022年の利上げ開始が18人中9人(前回は7人)に増え、22年に利上げを開始し、ゼロ金利政策を解除する見通しとなった。23年の利上げ回数は前回の2回から3回に引き上げられた。米FOMC後のパウエル議長の記者会見では『早ければ次回米FOMCでテーパリング発表の可能性』『テーパリングは22年の年央までに完了する可能性』との見解が示された。市場では『今回はこれまでになくタカ派的な内容だった』との声が聞かれた。なお、パウエル議長は『テーパリングの開始がそのまま利上げの検討を意味するわけではない』とし、急速な金融引き締め観測が市場に広がることもけん制した。 

 

ユーロ/ドルは、FOMCでテーパリングが近く正当化されるとの見解が示され、利上げ予想時期が22年に前倒しされるとドル買いが優勢になった。パウエル米FRB議長の『テーパリング終了は22年半ば頃が適切となる可能性』との発言もドル買いを促し、一時1.1685ドルと8月20日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。なお、中国の不動産大手、中国恒大集団の債務問題を巡る警戒感がやや後退し、NYダウが一時520ドル超上昇すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退しユーロ買い・ドル売りが強まる場面もあった。9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)が▲4.0と予想の▲5.8より強い内容となったことも相場を下支えし、一時1.1755ドルと日通し高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は上昇:リスク選好の欧米株高を意識した買い優勢

NY原油先物市場は70.64ドル-72.30ドルのレンジ相場となった。中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)警戒感が緩み、リスク資産の原油は買いが優勢となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫で、原油在庫は348.1万バレルの取り崩しと7週連続で在庫が減少したことも相場の支えとなった。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する『OPECプラス』は8月から日量40万バレル増で合意したが、コロナ禍の影響で生産が追いつかない国もあると伝わったことも、原油買いを後押しした。アジア市場で70.64ドルまで売られたが、売りは続かずFOMC会合の結果判明後に72.30ドルまで買われた。その後、71.85ドルまで下げたが、株高を意識して通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル近辺で推移した。 

 

NY金先物市場は横ばい:恒大集団のデフォルト懸念後退で買い一服

NY金先物市場は1764.60-1788.40ドルのレンジ相場となった。資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念が後退し、安全資産とされる金の買いが一服した。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいこともあって、様子見ムードが広がった。アジア市場で1780.80ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1770ドル台で推移した。FOMC会合の結果判明後に1788.40ドルまで買われたが、まもなく反落し、通常取引終了後の時間外取引で1764.60ドルまで下げる場面があった。 

 

米国債券市場はまちまち:米FOMC後の持ち高調整の動き

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.23%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.30%で終了した。米FOMCで『テーパリング(量的緩和の縮小)は近く正当化される』との見解が示され、利上げ開始予想が前回の2023年から22年に前倒しされると債券売りが出たものの、そのあとは買い戻しが優勢となり持ち直した。市場では『利上げ前倒し観測からFOMC前に債券売りが出ていたこともあり、持ち高調整の買いが入った』との声が聞かれた。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ