FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:中国発の過度なリスク回避の動きは後退

NYダウは50.63ドル安の33919.84ドル、ナスダックは32.50ポイント高の14746.40ポイントで取引を終了した。中国の不動産開発会社の危機は制御可能で、世界市場への影響は限定的にとどまるとの思惑が強まり、寄り付き後は上昇した。ただ、中国経済の回復鈍化懸念や、連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開催中で警戒感が拭えず、NYダウは買いが続かず下落に転じた。ハイテク株は押し目買い意欲も強く、ナスダック総合指数は上昇した。VIX指数は25.71から24.36へ低下した。

 

NY外国為替市場:過度なリスク回避姿勢の後退もドル/円の上値は重い

ドル/円は、香港や欧州の株式相場が反発したことで、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し、日本時間夕刻に一時109.71円と日通し高値を付けたものの、上値は重かった。『巨額債務を抱え経営危機に陥った中国不動産開発大手、中国恒大集団は少なくとも2つの銀行に支払い遅延』との一部報道が伝わると、同社のデフォルト(債務不履行)懸念が高まり、リスク回避の円買いが優勢になった。高く始まった米国株相場が失速したことも相場の重石となり、一時109.15円と日通し安値を更新した。21-22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒も重なり、積極的な買いが手控えられた面もあった。

 

ユーロ/ドルは、一時1.1749ドルと本日高値を付けたものの、ユーロ/円の下落につれた売りが出ると1.1715ドルの本日安値まで一転下落した。もっとも、明日のFOMC結果公表を前に大きな方向感は出なかった。

 

オフショア市場(中国本土以外の市場)で人民元(CNH)はさえない展開となった。中国恒大集団のデフォルト懸念が根強い中、対ドルでは一時6.4877元、対円では16.83円までCNH安に振れた。市場では『混乱を防ぐために中国政府が何らかの救済に動く』との期待がある一方、中国政府は『共同富裕』を掲げて貧富の格差解消に重点を置いており、『救済は望みが薄い』とみる向きも多い。

 

NY原油先物市場は反発:世界同時株安に歯止めがかかり買い入る

NY原油先物市場は69.39ドル-71.48ドルのレンジ相場となった。中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)警戒感を背景とした昨日の世界同時株安に歯止めがかかり、昨日に急落した原油にも買い戻しが入った。ただ、恒大リスクへの警戒感が続く中で上値も重く、小反発にとどまった。中国発の金融不安は消えていないため、ロンドン市場の序盤にかけて71.48ドルまで戻したものの、ニューヨーク市場の中盤にかけて69.39ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引で70.85ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は続伸:中国恒大集団のデフォルト懸念根強く買い優勢

NY金先物市場は1758.30-1782.20ドルのレンジ相場となった。この日は香港株や欧州株が反発し、米株も不安定ながら買いが優勢となったが、資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念は根強く、安全資産とされる金は続伸した。アジア市場で1758.30ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1782.80ドルまで買われた。ただ、戻り売りの興味は残されており、通常取引終了後の時間外取引で1774.70ドルまで下げる場面があった。

 

米国債券市場はまちまち:長期ゾーンはポジション調整による売り

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.21%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.32%で終了した。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売りが出た。 

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