FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:インフレ懸念後退も景気回復への影響を嫌気した売り

NYダウは292.06ドル安の34577.57ドル、ナスダックは67.82ポイント安の15037.76ポイントで取引を終了した。8月消費者物価指数(CPI)の伸びが前月から鈍化し高インフレへの懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。同時に、新型コロナウイルスの変異株流行による景気回復への影響が裏付けられたため売りが加速、下落に転じた。加えて、今週後半の満期日に向けたオプション絡みの取引も目立ち、下げ幅を拡大した。米長期金利が低下幅を拡大したことで、利ざや悪化の懸念からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が売られ、指数を押し下げた。VIX指数は19.37から19.46へ低下した。

 

NY外国為替市場:低調な8月米CPI受け米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)時期を占う意味で重要な8月米消費者物価指数(CPI)が予想より弱い内容となったことが分かると、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.26%台まで低下した。全般ドル売りが先行し、一時は120ドル超上昇したNYダウが失速し、350ドル超下落したこともリスク回避の円買いを促し、109.53円と8月24日以来の安値を付けた。ただ、米国株の下落を受けてリスク回避のドル買いが強まると、ドル/円にも買い戻しが入ったため、引けにかけては下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、予想を下回る米インフレ指標を受けてドル売りが先行すると一時1.1846ドルと本日高値を付けたものの、そのあとはユーロ円の下落につれた売りが出て1.1800ドルと欧州時間に付けた日通し安値に面合わせした。米国株の下落を受けてリスク回避のドル買いも見られた。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:米国株安が意識され上げ渋る

NY原油先物市場は69.98ドル-71.22ドルのレンジ相場となった。ハリケーン『ニコラス』が勢力を強めていることで原油先物は71ドル台前半まで一時上昇した。しかしながら、米国株式市場が弱含み始めると、リスク回避のドル買いが優勢になり、ドルで取引される原油先物にとっては割高感となったことで、徐々に原油先物は上げ幅を縮め前日比でほぼ横ばいで引けた。供給不安を意識した買いが続いたことでニューヨーク市場の序盤に71.22ドルまで買われた。ただ、米国株安を嫌った売りが観測されており、一時70ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引では主に70ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1780.60-1810.60ドルのレンジ相場となった。8月の米消費者物価指数(CPI)や同コア指数が市場予想を下回る結果となった。CPI発表後米金利が低下したこともあり、金利がつかない金先物が買われ1800ドル台を回復し堅調地合いを維持して引けた。また、ドルが弱含んだことで、ドルで取引される金先物に割安感が出たことも支えとなった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1780.60ドルまで下げたが、長期金利の低下を意識した買いが入ったことで1810.60ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では米国株式の動向をにらんで主に1805ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:インフレ高進への懸念後退で買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.21%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.28%で終了した。8月米消費者物価指数(CPI)が予想より弱い内容となったことを受けて、インフレ高進への懸念がやや後退したため、債券買いにつながった。

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